愛犬の食養生~春は体調不良になりやすい?
春は愛犬たちに体調不良が起こしやすい、そんなことが言われていますがなぜなのでしょう。もし原因がわかれば不調にならないよう養生してあげることができますよね。
今回は春に気をつけておきたいこと、食事での養生のコツについてペットフーディストの山本が解説します。
春に起きる愛犬の身体の変化とは?
冬から春に変わるとき、徐々に気温が高くなり体も心も元気になります。ところが寒暖差が激しかったり、3月は「春一番」なんて強い風が吹く日があるくらい変化が激しいとき。
私たちの体はとてもよく出来ていて、意識しなくてもホメオスタシス(恒常性)が働き気候に合わせて調整しようとしてくれます。これは自律神経の働きなのですが、気温差が激しいとか生活環境の変化が大きい場合、調整が大変になって働きが乱れてしまうことがあります。
たとえば、私たちもなぜか眠れなくなるときがありますが、それは気候の変化だけでなく、感情の大きな起伏が激しいときもですね。
こうして自律神経の乱れると体が疲れてしまいます。年齢を重ねたパートナーにとっても同じなようです。
パートナーが病気とまではいかなくても何となく疲れやすかったり、睡眠時間が狂ったり、お腹の調子が悪くなったりしやすくなるのが春なのです。
中には寒さが去ったことでやけに気持ちだけが盛り上がり食欲も旺盛に。でも、胃腸が強くなったわけではないので、食べ過ぎるとお腹を壊したり不調をきたします。
春のイベント(予防接種)にも注意が必要
春は地方自治体から狂犬病ワクチン接種のお知らせが届くタイミングでもありますね。
ワクチンを接種は体の中に抗体をつくるためのもの。抗体は体が健康であってこそ作れるものなので、体調に不安があるときにはワクチン接種は控えるべきです。
また、大勢のお友達が集まる場所で興奮してしまう性格なら、できるだけ平常の状態で接種できるようにタイミングを調整した方が良いでしょう。
気候、ワクチン以外にも。家族の変化(新学期・新生活での気持ちの変化)はパートナーに影響を与えます。それだけ人と密接な関係であるからですね。
<パートナーの体調の変化を感じる場所>
・姿勢
・便の状態
・尻尾の状態
・耳の形
・目の輝き
など
筆者の場合、毎朝、朝ごはん出来てる?とウキウキ顔で起きてくるパートナーが、のそりのそりと尻尾を垂れて歩いていると『今日は調子悪いな、下痢するかも』と感じます。
だから、朝一番はしっかり観察するための挨拶タイムなんです。
春におすすめの食養生レシピ
体をいたわるための重要ポイントは過食を防ぐこと。過食は内臓を疲れさせます。自律神経が乱れやすい季節だからこそ、内臓の負担を減らすことが養生になるのです。気持ちが元気になり食欲旺盛になりがちですが、うっかり要求されるままに量を増やさないようにしましょう。
春は食事の量を変えない!(減らし気味でも良いくらい)
ドライフードが主食の場合、野菜スープをプラスするのがおすすめです。素材によっては春の食欲亢進を無理なく抑えてもらうためにも役立ちますし、血管のお掃除にもなりますよ。
<春の養生野菜スープ>
・白菜
・チンゲン菜
・カブもしくは大根
・春菊
・舞茸
・人参
など。
お鍋に煮やすい量の水と野菜を入れ、加熱します。煮る時間は15分以内です。
野菜の薬効である栄養価の損失を少なくすることがポイントなので煮過ぎないほうが良いでしょう。煮た後は消化しやすいようにミキサーやブレンダーでペースト状(スープ状)にするのがおすすめ。
たくさん作って小分けして冷凍すると便利です。野菜が嫌いなパートナーには白菜多めにしたり、少しだけかぼちゃをプラスしても良いでしょう。甘味があると嗜好性があがります。またはカツオ節で風味をつけてみてください。
参考写真:野菜のペーストとササミ(フード3割分との置き換え)
ドライフードを減らさずいつもの量のままなら野菜のペーストのみプラスしましょう。
<野菜ペーストの目安量>
小型犬:1食につき小さじ1~3杯
中型犬・大型犬:1食につき大さじ1~3杯
水分を摂らないタイプのパートナーはさらに水を加えてサラサラのスープ状にしても
良いでしょう。
<食べ過ぎ防止>
寒さから解放されて元気になってくるパートナーも多いことでしょう。でも、急にこれまでよりたくさん食べられるようになったわけではないのです。気持ちが盛り上がって食欲も旺盛になりますが、胃腸の仕事を増やすことは体調不良の元。
野菜(特にキャベツ)は胃酸を抑える働きも期待できるので、こういう時こそ与えると良いでしょう。春やは柔らかい春キャベツが出てくるので家族みなで美味しくいただきましょう。
【参考記事】
愛犬のための薬膳入門:野菜の使い方
まとめ
愛犬が春になると体調が悪くなる理由はさまざま。でも、気候変動での不調は私たちと同じだと考えると良いですね。また、お腹が空いたよ!と催促されても急に量を増やさないことが肝心。消化吸収の仕事はエネルギーを得るためとはいえ、重労働なのです。
摂食して体力温存してもらいましょう。ついつい、可愛いパートナーの要求に応えてあげたくなりますが、健康のためにはグッと我慢しましょうね。
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Follow @greendog_com山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範
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