2020.05.26食事・ドッグフード , 食事ケア

愛犬のうんちを見よう~色と匂いでわかること

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愛犬のうんちを見よう~色と匂いでわかること

愛犬が排泄する毎日のうんちを処理するのは飼い主としての大切な役目。でも、うんちをよく見ずにさっさと片付けてしまってませんか?実は、とてももったいないことです。

うんちは、健康のバロメーター。愛犬の健康状態を判断することができる材料なのです。今回は形・色・匂いのそれぞれが示す意味と、良いうんちに調整する方法についてペットフーディストの山本が解説します。

理想のうんちとは

愛犬のうんちが正常か異常なのかわからない飼い主さんは多いですね。ヒトとは食事内容が違うから、でしょうか。実は、人も犬も健康なうんちの状態というのはあまり差はありません。

バナナのような状態
私たちも愛犬も健康的なうんちは「バナナのような状態」です。

片付けるときにベチャッと汚れが残るような状態は水分が多すぎる軟便とよばれる柔らかいうんち。ぽろぽと硬く水分が少なすぎる状態は便秘になりがち。どちらも食事内容や腸内環境を改善する必要があります。

形は一般的にドライフードを与えている場合は、1本に一定の太さでまとまっていることが多く、生食派や手作り食の場合は、そのときの食事内容によっては小さめだったり、不定形な塊になっていることも多いでしょう。

匂いがきつくない
そして、健康なうんちは匂いがきつくありません。匂いのレベルは普段から愛犬のうんちを嗅いでおかなければ異常に気付くことができません。でも、うんちの匂いの中には体に有毒な成分も含まれるので決して思い切り肺の奥深くまで吸い込まないでくださいね。

黄色から茶褐色
腸内環境が良い場合は、黄色から茶褐色になりますが、食材の影響により黒褐色に近い場合もあります。

うんちの色でわかること

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食事内容
・黄~茶色:炭水化物や野菜や乳酸菌を多く摂ったとき
・茶~黒褐色:肉類、鉄分を多く摂ったとき

腸内環境
・黄色~茶褐色:善玉菌優勢。軟便のときも(腸内が酸性より)
・黒褐色:悪玉菌優勢。便秘のときも(腸内がアルカリ性より)

うんちの色は胆汁によってつけられます。胆汁は主に脂質を消化するために使われる消化液のこと。それ自体は黄色(新鮮なもの)なので混じることによりうんちは黄色から茶色系になります。ほかに腸内のpHによっても色が変化します。酸性よりだと黄色系に、アルカリ性よりだと黒っぽくです。胆汁は十二指腸に流れる前に胆のうに蓄えられていますが、その中で時間が経つと酸化して緑色になります。健康状態は問題がなく緑色のうんちが出るときもこの胆汁の影響と考えられます。

うんちが灰色のように色が薄い場合は何らかの理由で胆汁が出ていない可能性があります。
また、お散歩で出かけて出す何度目かのうんちが緑色っぽいときがありますが、お散歩での刺激により腸内の滞在時間が短縮され早めに出てしまった場合になりがちです。

危険な状態
胆汁の影響ではなくうんちが緑色のときがあります。また、血が混じって赤色や黒っぽくなることもあります。これらは何か病気の症状が出ていますので、いつもと違う状態が続く場合や愛犬に元気がない場合は病院で診てもらいましょう。特に血が混じっているときや激しい嘔吐・下痢、愛犬がぐったりしている場合は至急診てもらうようにしましょう。

うんちの匂いでわかること

普段から匂いをチェックして、いつもより臭いときは不調のお知らせ。原因について探ってみましょう。

消化がうまくいっていない
いつもよりも不快に感じる悪臭は、食べ物の消化がスムーズにいっていない証拠。消化が苦手な食材や肉を摂り過ぎたときに腐敗した匂い(腐敗臭)がしたり、脂質が多すぎたときには酸っぱい匂い(酸性臭)がするといわれています。

ストレスや体調不良
心と腸は連携しているので、ストレスが大きい場合にも腸の働きが鈍くなり消化吸収能力が衰え悪臭が出やすくなります。前日に苦手な病院やトリミングに出かけた、とか、ドッグランで長時間興奮していたなども理由の一つ。

気候変動が大きい時、寒暖差など、体が冷えていたということもあるでしょう。特にシニア期には多いことです。

健康的なうんちのためには

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年齢にあった食事内容にする
若くて運動量がある場合は、肉がたっぷり多めの食事でよいでしょう。ですが、運動量が減ってきたシニア期には同じ食事内容だと便が出にくくなったり、匂いがきつくなってくるかもしれません。これは不調の合図です。消化酵素のサプリメント を利用して消化吸収を助けたり、少し肉や脂質が少なくなるようにしてみましょう。

乳酸菌を利用する
乳酸菌 を摂りいれることで腸を酸性よりにすることができ、善玉菌が元気になり腸がよく働いてくれるのです。といって、愛犬にヨーグルトや乳酸菌飲料を大量に与えると逆に腸が働き過ぎて下痢や軟便になります。なんでも少量ずつで様子をみることが大事です。

フードのタンパク質・脂質を抑える
ドライフードを与えている場合は、タンパク質や脂質がこれまでより少な目のものにしてみると良いでしょう。その分、炭水化物の割合が増えうんちの状態が変化します。

食物繊維は適量を利用する
腸の健康のために(特に便秘)には食物繊維を摂った方が良いと考えがちですが、単に増やせば良い問題ではありません。繊維質は食べたものの腸内での移動スピードを遅くします。そのためさらに便秘になってしまったり発酵が進みガスがたくさん発生することがあります。

たとえば、キャベツは健康に良いと聞き、生のまま大量に与えたところ腸の動きが悪くなったということも多いそう。愛犬が喜んで食べるものでも量には気をつけましょう。

生の野菜を適量与えるのが難しい場合は、食物繊維を含む発酵食品  なら消化のサポートにもなるのでおすすめです。毎日少量ずつ与えて様子をみましょう。

まとめ

毎日の愛犬のうんちは、健康のバロメーター。
パートナーが健康な時のうんちの状態はどのようなものなのかを知っておくと、異変に気付きやすくなりますね。

できれば、携帯に撮って保存する方法も獣医さんに説明しやすいのでおすすめです。愛犬の健康手帳 にも定期的に記載しておくと変化がわかりやすいですよ。

ぜひ、愛犬のうんちに詳しくなって健康維持に役立ててくださいね。

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山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。 自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。 日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。
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