2017.11.14一緒に。もっと、

【犬との暮らし】愛犬救命1~『もしも』を『いつも』にする防災グッズ

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【犬との暮らし】愛犬救命1~『もしも』を『いつも』にする防災グッズ

ホリスティックケア・カウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤です。実は私、愛犬救命協会の理事長というもう一つの顔を持っております。愛犬救命協会では『救える命を救いましょう』をモットーに、1)もしもの緊急事態に対応するノウハウ、2)もしもの緊急事態を回避・リカバリーのためのホリスティックホームケア、3)不幸な命を救う保護活動の応援 という命を救うための3本柱をテーマに活動しております。もしもの事態を完全には避けられないかもしれませんが、日々の生活の中で意識して暮らすことで回避できたり、ダメージを最小限に抑えられたりすることもあります。

前回までの連載ではフィトセラピーを中心にホリスティックな目線で愛犬の自然治癒力をアップするコツをお伝えましたが今回からしばらくは愛犬救命協会目線でパートナーのもしもの事態に役に立つ備えや心構えについてお伝えしていきます。

加藤さんのアニマルフィトセラピーの記事はコチラ→【犬との暮らし】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす

もしもの災害に備える

当たり前ですが、災害はいつやってくるかわかりません。災害時は身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。もし、災害に遭遇してしまった場合、できるだけ慣れた日常の延長として過ごせるように備えておけることが理想ではないでしょうか。今回のコラムでは被災地・被災者の方からの情報を元にそんなことを考えてみたいと思います。

ローリングストックで備蓄を

 

【犬との暮らし】愛犬救命1~『もしも』を『いつも』にする防災グッズ

備蓄には重さや与えやすさを考慮しています

我が家では防災の日(9/1)前後に非常持ち出し袋の中身のチェックをしていますが、皆さまはいかがですか? チェック内容は主に飲食物や乾電池の入れ替えが中心です。最近は災害時の準備として非常食を特別なものにせず備蓄可能で日常生活の中で使う食材を定期的に消費する「ローリングストック」と言う考え方が浸透してきているようですね。

ある被災地の話ですが、震災発生後2~3日ですでにメーカーからドッグフードが届けられていました。そこで明暗を分けたのはそのフードが食べられるか?ということと、誰の手からも食べられるか?という事だったそうです。

そこでパートナーが普段食べ慣れているもの、または好物をローリングストックすることを提案いたします。ミネラルウォーターやドッグフードの多くはだいたい1年くらいの期限がありますので定期的に入れ替えれば問題ありません。半年に1度にすればさらに選択肢が広がります。我が家の場合、食べ物は中型犬2頭と小型犬1頭の約1週間分の食材を常備しています。(環境省のガイドラインでは少なくとも5日、可能ならば7日以上の備蓄を推奨しています。)

備蓄におすすめの食材

 

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写真はフリーズドライ商品のグリーントライプ

フリーズドライ商品

何よりも軽いのが魅力です。水で戻して使いますが、最悪、乾燥したままでも与えられますし、他のフードのトッピングとしても使えます。手作り生食が常食の我が家では1年経過したらいつも通りのご飯として与えられるので、ドライフードを準備するよりも使い勝手が良いこともあります。

グリーントライプ

においが強く、消化に必要な栄養素がたっぷり含まれているので、差し出すと愛犬たちの目が輝きます。消化器系が普段から弱いパートナーであれば、乳酸菌系のサプリメントもストックしておくと良いでしょう。

また、持病で日常的に投薬をしているパートナーの場合はかかりつけ獣医師と相談して2週間程度オーバーラップしながら薬を出してもらうと安心です。私事ですが、先日、1週間程度、緊急入院が必要な状態になった時、この備蓄が役に立ちました。このような時にも役に立つことを自ら経験し、目からウロコが落ちたと共に安心して静養できました。備えあれば憂いなしとはまさにこのことです。

靴は必要?

 

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靴を買ったら慣らしておきましょう

ある商店街近くの被災地・避難所での話ですが、すべての窓ガラスが割れていて、肉球を切った犬がたくさんいたそうです。抱えることのできない大きさのパートナーは可能ならば準備しておいた方が良さそうです。ただし、せっかく準備しても履き慣れていないとうまく歩けなかったり、ストレスになったりしてしまいますので、購入しただけではなく練習をしておきましょう。

★犬用の靴と履かせる方法はこちら

 

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包帯を巻くことができますか?

また、現地では足先に包帯を巻いた犬たちが多かったけれど、うまく巻けずに外れてしまうことが多かったようです。包帯の巻き方にもコツがあるので今のうちから練習しておくと災害時以外でも役に立ちます。

避難所生活で最も大切なことは?

何よりも大切なことは当たり前のことですが、他人に迷惑をかけないことです。パートナーが騒ぐからと避難所ではなく車内生活を選択してエコノミー症候群になってしまった飼い主もいたようです。うちのパートナーはちょっと厳しいかも?という方も根気次第でクリアできるケースも多いので少しずつでもチャレンジしていただきたいと思います。楽しみながら練習を重ねれば避難所で皆に愛される「アイドル犬」に変身するかもしれません!

とはいえ、環境が大きく変わりますから落ち着いて過ごせないパートナーもいるでしょう。

阪神大震災、新潟中越地震でペットたちが最も多くかかった疾患は精神的ストレスによる内臓疾患だったそうです。強いストレスは吠え・攻撃性などの問題行動や食欲不振・下痢などの消化器系不調を引き起こします。パートナーのメンタルを少しでも和らげてあげるために現場で実際に効果があったのはマッサージだったそうです。

皮膚と脳は繋がっていますから、優しいタッチや温もりはメンタルを整える効果があります。アロマに関しては避難所内では香りを嫌がる方もいるので使いにくいかもしれませんが、お天気の良い日は外に出ている方も多かったと聞きますので、外の空気を吸いながらアロマを使えばリフレッシュに役立つでしょう。

 

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お互いの体温が感じられるスリング

また、小型犬の場合は、ケージよりスリング の方が便利だったそうです。飼い主も犬たちもお互いの体温が感じられ、安心感があったということです。防災セットの中にスリングを準備しておけるとベストですが、難しい方は大判の風呂敷を1枚入れておくと良いでしょう。風呂敷は結び方を工夫すればいろいろな形に姿を変えてくれます。また、パートナーがパニックを起こして暴れているようなときは上からそっと覆うようにすると咬まれずに安全に抱きかかえることもできます。

メンタルに働きかけるフラワーエッセンス

避難所生活にはならなくとも大きな震災の後は余震や避難警報にトラウマをもってしまうパートナーの話もよく耳に入ってきます。飼い主のメンタルを受けているケースも多いですので、できるだけ反応を見せないように意識することも大切です。また、その時に逆に笑顔を見せて普段よりワンランク上のおやつをあげるなど「良いこと」と結び付けてあげても良いでしょう。根深くなってしまっているようでしたらメンタルに働きかけることを得意としているフラワーエッセンスの力を借りてみてください。下記のエッセンスが役に立つかもしれません。

スターオブベツレヘム :ショックなことから回復できず、引きずっているような時

ミムラス :原因がはっきりとしている恐怖

チコリ―:一人になったり、飼い主が視界から見えなくなるとパニックを起こす

レスキューレメディ:あらゆるストレス、緊張、恐怖、パニック

終わりに

パートナーの写真や年齢、持病、常備薬、アレルギーの有無、飼い主の連絡先などの情報をメモしてキャリーバッグや持ち出し袋に入れておくと万が一の場合に役に立つ可能性があります。万が一の事態が起きてしまった時、パートナーにとって頼れる飼い主であるために何が必要かチェックして備えておけると安心ですね。

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加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

幼少期より多数の動物と暮らす。北里大学卒業後、10年以上製薬会社でMR、臨床開発に従事。愛犬のアトピーや股関節形成不全をきっかけにホリスティックの世界を知り、2007年にホリスティックケアカウンセラーを取得。アロマやハーブ、東洋医学他、さまざまな角度から行うホリスティックな視点でのアドバイスは日本全国にとどまらずアジア各国でも高評を得ている。
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