2020.09.11一緒に。もっと、

もっとノーズ、プリーズ!〜いろいろなモノを組み合わせてサーチ!~ノーズワークシリーズ その12

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もっとノーズ、プリーズ!〜いろいろなモノを組み合わせてサーチ!~ノーズワークシリーズ その12

文と写真と動画:藤田りか子

このコーナーではこれまでにいろいろな物品を使ってにおい探しゲームをするやり方を紹介してきました。今回は、これまでに使った物品をいろいろ混ぜてサーチをする遊びを提案したいと思います。
これまでに使った物品は

  • トイレットロール
  • 靴下
  • ビニールシート etc.

真面目に「もっとノーズ、プリーズ」シリーズを読んで実行してきた皆さんの愛犬なら、きっと簡単にこなせる遊びです。

ノーズワーク応用編!いろいろな物品を組み合わせてみよう

  1. 比較的広い場所をサーチエリアとして選んでみましょう。そこにこれまでに使ったことのある物品を並べてみます。並べ方は自由。規則正しく直線上に並べてもいいし、ランダムでもかまいません。ただし規則正しく並べた方が、私たち人間がこんがらがってしまうことがなく良いいかもしれません。時に犬がどれをにおったのか、どれをにおわずに飛ばしたのか、わからなくなるからです。
  2. どの物品でも構いません。一つ、あるいは二つ選んで、そこにターゲット臭あるいはトリーツを隠します。
  3. 犬をエリアに連れてきたら、さっそく「サーチ!」。果たして上手に探し出すかな?リード付きでもなしでもかまいません。
  4. 探し出したら早速トリーツを犬に与えてたくさん褒めて終わりです。

ノーズワークをもっと楽しむためのアドバイス

  • トリーツを与える場所ですが、まだノーズワークを初めてまもない犬であれば、できるだけターゲット臭が隠されている側で与えてください。こうすることで「ターゲット臭」と「トリーツ」との連想がしやすくなります。
  • トリーツ探しをしていても、犬が探し出し食べた後に、私たちからもさらなるトリーツをその場で与えることで犬は人と遊びことの楽しさを確認するようになります!ノーズワークは確かに犬の自主性に任せる遊びではありますが、人と共同作業をする楽しさを覚えてもらうこともできるのですね。犬と人とのコンタクト(絆)というのは、こんなところからも生まれるのですよ。
  • もし犬が上手に探さなかった場合、もう一度犬にじっくり探させるチャンスを与えます。リードをつけずにサーチを行った人は、リードをつけてサーチエリアを一緒に歩いてみましょう。その時に「声かけ」をしないこと。犬が嗅覚を使っている時は集中をしているので、できるだけその仕事を邪魔しない方がいいのです。ハンドラーは黙っていましょう!声に気をとられて鼻をクンクンする頻度がガタっと落ちます。
  • なんどかサーチエリアで探させたけどうまく探すことができない場合……そんな時は練習そのものを中断してしまいます。探せなかった〜、とガッカリする必要はありません。筆者はノーズワークの競技会を目指して自分の犬をトレーニングをしていますが、失敗することなんてもう日常茶飯事!うまくいかない場合は、少し時間をあけた後に試す、あるいは、もうゲームそのものをやめて翌日にあらたにやり直してみる、など犬の頭を切り替えてあげるのも大事です。
  • ターゲット臭あるいはトリーツを2箇所に隠した場合、一つ目を探し当てたあと、二つ目を探してくれない時もあるかもしれません。その場合は、犬といっしょに一度サーチエリアから出て、少なくとも10秒ぐらい間をおいて、またエリアに入って試してください。もし犬が最初の隠し場所に行ってしまう場合は、その物品を取り除くか、もしターゲット臭を使っている人は隠しているにおいを取り去ってから練習します。

筆者の犬、アシカではこんな風に試してみました。箱、靴やバーベキューセットの蓋、瓶や缶、そしてタオルを散らしました。

この遊びは、最初はお部屋の中でやってみるといいでしょう。犬が慣れてきたら、どんどんエリアを広げてゆきます。たとえば部屋をまたいでエリアとして使ってみるのはいかがでしょうか?リビングから、廊下、そして玄関まで、と、いろんな物品をそこにおいて犬に嗅がせる遊びです。とても単純な作業に見えますが、犬にとっては大事な嗅覚遊びとなるはずです。

家の中で十分に遊べるようになったら、外でやってみましょう。庭がない、という人は、どこか犬が入ってもOKである広場をみつけて、いろいろな物品を置いてみます。ただし、初めはそれほどエリアを広げる必要はありません。犬も外でやるのは初めてなので、周りのものに気を散らせたりするなど遊びに集中することができないでしょう。こういうときは、普段使い慣れている物品で試すと犬もすぐに「あ、この遊びをしようとお母さんはいっているのだね」と思い出しやすくなります。普段、箱をつかってやっているのなら、外で最初に行うときもその箱をもってきます。

こんな風に一つ一つ構築をしながら、実はみなさんの犬は競技会にだって参加できるぐらいのノーズワーク・ドッグを作り上げているのですよ!今回試してもらったことは、将来のインテリアサーチ、そしてエクステリアサーチを行うための基礎づくりなのですね。次回はノーズワークの競技会についてお話をしましょう。

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藤田 りか子(ふじた りかこ)

ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。