2019.03.08一緒に。もっと、

もっとノーズ、プリーズ!嗅覚遊びのハウツー ~ノーズワークシリーズその2

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もっとノーズ、プリーズ!嗅覚遊びのハウツー ~ノーズワークシリーズその2

文と写真:藤田りか子

藤田りか子さんの他の記事はこちら →藤田さんの記事一覧

前回 の続きです。今回はどのようにフードばらまき遊びを愛犬と行うのかその詳細をお話します。なぜこの遊びが犬にとって意味のあるものなのかはこちらの記事 に詳細を記しています。

フードをあちらこちらにばらまいて、犬たちに嗅覚を使わせながら、探させる。これを、家の中のみではなく、庭、林の中などどこでもできるようにしてみましょう。

お家の中での基礎作り

  1. まず室内で基礎を作りましょう。できるなら、朝ご飯や夕ご飯の前に行います。愛犬の食べ過ぎが気になる方は、食事の量を減らして与えてください(あるいは、この遊びの時に食べるフードそのものを朝ご飯・夕ご飯としてもいいでしょう)。

     
    お家の中で、ドライフードを20粒ぐらい犬の見ている前で床にばら撒きます(写真上参照)。犬が慣れ親しんでいるお部屋でおこなってください。そして、犬を放します。そのままフードを食べさせます。何も犬に話しかけなくても大丈夫。犬は集中して食べるはずです。

  2. 愛犬に待ってもらう?あるいはそのまま食べにいかせてしまう?

  3. トリーツをばらまいている間、これまで皆さんはどうやって犬を抑えていましたか?ケージにいれたまま?それとも、誰かに犬を抑えてもらっていた?あるいは、おすわりと言って待たせていた?それともばらまいた先から犬に食べさせていた?

     
    愛犬を待たせるか否かは、それほど重要なことではありません。ただ、もし犬とコミュニケーションの機会を増やしたい人は、敢えて犬にまってもらうということをお願いしてみてもいいかと思うのです。譲歩をする、ということを愛犬が学ぶことで、飼い主さんにより気持ちを集中させるようになります。これは一つの枠組みを飼い主さんが犬に与えている、ということでもあります。
     
    すると犬は「世界というのは私を中心に回っているものではないんだ!」ということを悟るはずなんですね。「欲しいものというのは、相手とやりとりしてから手に入るんだ」と犬に学ばせることは、今後の飼い主さんと愛犬の間のコミュニケーションスキルアップにつながります。

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  5. 愛犬を待たせてからトリーツを取らせたい人は、トリーツをばらまいている間はケージに入れておきましょう。そしてばら撒き終わり、犬を連れてきたらすぐに前にだすのではなく、体をそっと手で押さえておきます(写真下)。
     
    犬が前に集中をして、同時にすこし体の力をぬいてくれた瞬間、出してあげます。この時にアイコンタクトを犬に求める必要はありません。
  6. もっとノーズ、プリーズ!嗅覚遊びのハウツー ~ノーズワークシリーズその2

     

  7. 1を何回か繰り返したら、今度は犬を放すまえにコマンド(合図)を入れてみましょう。将来的には嗅覚のみでトリーツを探して欲しいので(今のところ嗅覚半分、視覚半分だと思います)、「鼻!」とか「ノーズ!」、「サーチ」そして「探せ!」などを合図言葉として使ってみるのはいかが?
  8. たかが遊び、でもバリエーションを入れて!

  9. 時々環境を変えて行うことも大事です。いつも居間でやっているというのであれば、今度は廊下で、子供の部屋で、寝室で、などと様々な場所で行ってみます。環境を変えると言う些細なことですが、毎回同じ場所で行うよりも「あ、面白いね!」と言う感情の抑揚を愛犬に与えることができます。
  10. もっとノーズ、プリーズ!嗅覚遊びのハウツー ~ノーズワークシリーズその2

  11. 家の中のありとあらゆる場所で行ったら、今度はフードのおき方にバリエーションを入れてみましょう。これまでは明らかに犬の眼にわかるようにフードをばらまいていたわけですが、少し難しさを加えてみましょう。
     
    例えば、家具の下や後ろにトリーツをばらまいてみます。もちろん、いくつかはわかりやすいよう床に転がっていても構いません。ばら撒くトリーツの量を増やしてもいいでしょう。サーチが難しすぎると犬も諦めてしまいがちになりますが、少しだけ難しい、というのは人と同様犬もとても好きです。見つけた時の達成感を感じることができるからです。
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  13. さらに少し難度を加えてみましょう。容器や箱をいくつか集めて、床のあちこちにおいてみます。そしてフードをばらまくのですが、箱の中にはいっているのもあれば、積まれた容器の下にはいっていたりと、サーチの空間次元を増やします。
     
    部屋いっぱいにたくさんの箱や容器、あるいはカバンを置いて、サーチエリアを遊園地のように楽しくしてみましょう!
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    次回は外でのサーチ遊びのコツを紹介します。

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    藤田 りか子(ふじた りかこ)

    ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。