2019.07.12一緒に。もっと、

もっとノーズ、プリーズ!~身近でできるノーズ体操~ノーズワークシリーズその5

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木の匂いを嗅ぐ犬文と写真 藤田りか子

藤田りか子さんのノーズワークシリーズはこちら

都会にもある生垣や草むらを利用しよう

世の中というのは見回してみると、意外と草むらとか藪にあふれています。たとえ緑の少ないといわれている東京のど真ん中ですら、生垣ぐらいならどこかにあるものです。都会に住んでいる人は、ぜひこういう環境を利用して愛犬に環境エンリッチメントの一環としてノーズ遊びを与えるべきでしょう。シリーズ3回目にその基礎編を記したので参照にしてみてください。

ただし、その藪や草むらをどう使うかは、飼い主の「想像力(創造力とも?)」も必要となります。以前私の友人が
「東京では犬を遊ばせるところがない〜」
と言いつつ、何も犬に脳トレらしいものを与えていませんでした。私は本当かな?と
「じゃ、いつもの散歩コースに一緒について行ってみてもいい?」
と彼女と犬の散歩にお供をしました。と、ある公園に着いて
「この隅なら、犬と歩いてもいいのよ」
と友人は公園の境に植わっている生垣の横を犬と歩き始めました。「これならいける!」と私はすかさず思ったものです。
「ここで、十分におもちゃを投げて遊べるじゃない!」
友人は
「あら、ダメよ。この公園では犬を放して遊ばせるの禁止だもん」
といつもの諦め表情で話してくれましたが、私は彼女とその愛犬が見ている前で、ボールを生垣の間に投げ、
「もってこい!」
と言いました。犬から生垣までの距離はほぼ2mぐらい。リードの長さ分です。普段からもってこい遊びをお家の中でやっていたその犬は、すぐにそれが探して持ってくるべき合図だと理解して前に出ようとしました。私は友人に
「リードをつけたまま犬に探させればいいんだよ」
とアドバイス。犬はすかさず生垣の中に入っていきました。生垣とはいえあまり手入れが行き届いておらず下草がボウボウ。これはノーズ遊びには好都合です。視覚でボール見つけることが容易ではなく、犬はこういう時早速嗅覚モードにスイッチ・オン。においを頼りに探します。それが犬という動物なのです。人間にはない習性ですね。

彼女の犬はしばらくクンクンしたのちに、
「ここにあった!」とボールをパクッとくわえて生垣の中から出てきました。その間、友人はリードをずっと持ったままです。友人はこんな身近で簡単に犬の嗅覚を活用できることに感嘆していました。そう、私たちの犬は麻薬犬としてのトレーニングなど受けずとも、家の近所で十分に嗅覚遊びを楽しむことができるのです。それもオフリードにせずとも!

柴犬散歩神奈川県のとある住宅地の散歩道。矢印の場所に注目。こんな風に身近に草むらは存在する。こういうところにそっとボールを隠してリードをつけたまま犬に探させてみる。

草ボウボウのところは理想のノーズ体操場

私は競技会のコンペティターとしてノーズワークを犬と楽しんでいるものですが、普段気軽に行うノーズ体操の際にわざわざターゲット臭(競技会で決められている探すべき匂い。例えばアロマ臭など)を用いることはありません。これまでのシリーズで紹介してきたようにトリーツを使うこともあれば、ボールを使うこともあります。

我が家の目の前は牧草地なのですが、今年はどうしたものか爆発的に草が伸び、その中に入ってまともに歩けないほど「ジャングル状態」になっています。こんな草むらはまさにノーズ体操に格好の場所です。というわけでここ最近、散歩に出る前にまず牧草地にテニスボールを投げて犬に探させる、という運動を与えています。犬たちは大喜び!どんな風に行なっているのか、以下に連続写真をどうぞ。
犬ロングリード着用待機犬にハーネスとロングリード(10mほどの長さ)をつけます。
テニスボールめがけて走る犬そしてテニスボールを草むらに投げると勢いよく犬は走ってゆきました。
草むらでボール探す犬長い草丈中を一生懸命探します。だいたいこの辺にあると予想がついているもののこのボウボウした中では容易ではありません。嗅覚の使いどころです。
草むらでボールを見失う犬迷っていたので少し助けを出してあげました。ボールの近くに犬が来た瞬間に「止まって!」と合図を出します。私とアイコンタクトを取った後に、犬笛で「その近くをもっと慎重に探してみて!」という意味のトーンを吹いて探す行動を促しました。
ボール見つけた犬見事見つけてきました!「うちの犬はボールに興味がない!」という人はトリーツを使ってみてもOKです。
ただどど広いところでディスクやボールを投げて「視覚」に頼って遊ばせるよりも、このような視覚が使えず嗅覚に頼らざる得ないところで探させる方が犬はストレス過多にならないで済みます。何と言ってもかなり集中してボールを見つけなければならないからです。こうして、嗅覚を散々使わせた後、
「じゃ、散歩に行こうか!」
と歩くことが楽しいリフレッシュになるというわけです。

散歩から帰った犬たちは数時間はぐっすりと通しでいつも寝ていますよ!

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藤田 りか子(ふじた りかこ)

藤田 りか子(ふじた りかこ)

ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。