2020.05.08一緒に。もっと、

「犬と暮らすと健康になる」のは、犬ときちんと向き合うことへのご褒美

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散歩するチワワ後ろ姿
普段はあまり意識することのない健康の大切さを痛感する今日この頃ですが、犬が人間の健康に及ぼす影響については長年に渡って数多くの研究が行われています。
昨年も「犬と暮らす人は特定の病気のリスクが下がる」など犬との暮らしと健康に関するリサーチ結果が発表され、その結果を受けて様々なメディアが「健康で長生きしたいなら犬を飼いましょう」という見出しの記事を書いていたのが目につきました。
これらは複数の研究者が膨大な数のデータを分析して出した結論ですし、犬と暮らすことの恩恵は確かに多くの方が実感していることと思います。
でも「犬を飼うと健康になる」と言われると、どこか居心地の悪い違和感が生まれるような気がします。
その違和感はどこから来るのか?考えてみたいと思います。

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犬を飼うことと心臓の健康との関連

男性とハーネス付けた犬
犬を飼うことと健康についての関連で以前から多く言われているのは心臓や血管の病気との関連です。
2019年にはアメリカのメイヨー・クリニックの研究者が「犬を飼うことは心血管の健康に良い影響を与える可能性」を改めて明らかにしています。
データを比較すると犬を飼っている人のグループは飼っていない人のグループよりも、身体活動のレベルが高く、より健康的な食生活を送っている傾向が高かったそうです。
また犬を飼うことで社交の機会が増えることも指摘されています。

スウェーデンのウプサラ大学の医療科学研究者は、犬を飼っている人は単に心血管の病気になりにくいだけでなく、心臓発作や脳卒中を起こした後の死亡リスクに差があるというリサーチ結果を発表しています。
心臓発作を起こした人の予後を調査すると、犬を飼っている一人暮らしの人は犬無しで一人暮らしよりも発作翌年の死亡リスクが33%低かったそうです。
脳卒中の場合は、犬を飼っている一人暮らしの人は犬無しの人に比べて発作翌年の死亡リスクが27%低かったということです。
家族やパートナーと暮らしている場合にも、犬を飼っている人の方が翌年の死亡率が低いことが確認されました。

犬を飼うことはメンタルヘルスにも良い影響がある?

頭を撫でられる犬
身体的な面だけでなく、精神の健康メンタルヘルスの方はどうでしょうか?
こちらも犬を飼っていることとの関連について数多くの研究が行われていますが、一部では関連が見出されたり、特定の病気では全く関連がなかったりと、身体面と違って明確な答えは未だ出ていません。

けれど犬と暮らしていると毎日散歩に出ることで、人と挨拶したり世間話をしたりと社交の機会が増えるのは皆さんもご存知の通りです。
人との出会いが増え孤独感が減少することは、うつ病のリスクを低下させる要因となります。
強烈なショック体験や強い精神的ストレスから心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える人が介助犬と暮らし始めてお互いの世話をすることで回復を見せることもよく知られています。
精神の健康は、血圧やコレステロール値などのようにデータが数値で現れないので、明確な答えが出にくいようですが、犬の存在が精神的なサポートになることがあるのは確かです。

犬を迎えることは家電を買うのとは違う

あくびをする犬
多くの科学者が犬との暮らしが健康に及ぼす影響を研究し、それを受けてメディアは「犬を飼うと健康で長生きできる」と言います。でも犬を家庭に連れて来たら自動的に健康になるわけではありません。空気清浄機を買って来たら鼻がすっきりしたというようなものではないですね。
犬と暮らしている人に心血管の病気の人が少ないのも、血圧が正常になったという人も、毎日犬と一緒に散歩をするからです。
犬と暮らすと社交的になってうつ病リスクが低下するのも、散歩に出かけてこそです。

このたびの新型コロナウイルスのパンデミックに当たって、カリフォルニア大学デイビス校獣医学部がペットの飼い主向けのQ&Aをウェブ上に発表しています
そこでは次のようなことが呼びかけられています。
「普段通りの健康的なペットのルーティンを保ちましょう。ペットと遊んだり散歩に行ったりすることで、人も動物も心身の健康を保つことができます。ペットの心と体のケアをすることで、私たちも彼らから健康上のメリットを受け取ることができます。」
自分自身を健康に保つためには、ペットを健康に保つことも含まれるということです。
犬と暮らすことが健康につながるというのは、時間や体力を使い頭や気持ちを悩ませて犬ときちんと向き合った人へのご褒美だと言えますね。

おわりに

お散歩で笑顔の犬
「犬を飼うと元気で長生きできる」「犬を飼うと心が癒される」のようなフレーズは時々見聞きします。そのたびに違和感が湧き上がるのは、これらの言葉からは人間が犬から何かを受け取ろうという気持ちしか感じられないからです。

犬との暮らしは楽しいことばかりではありません。毎日の散歩は時にはしんどい日もありますし、病気や怪我をすれば言葉で語り合えない分不安も募ります。トレーニングが上手くいかなくて泣きたくなったり、家の中や持ち物が汚されたり壊されたりすることも度々あります。
それでも、歩きながら犬と目が合って「楽しいね」という気持ちが伝わってくる時、帰宅した時に全身で喜びを表現してくれる時、自分のことを心から信頼してくれていると感じる時、体の疲れも吹き飛び心が明るくなるものですよね。
犬がくれる健康や癒しは、毎日の生活の積み重ねの結果として生まれるものです。受け取ることを目的にして迎えた後に「こんなはずじゃなかった」となった時、いちばん不幸になるのは犬だということも、伝えていかなくてはいけないと思います。

《参考URL》
https://newsnetwork.mayoclinic.org/discussion/your-hearts-best-friend-dog-ownership-associated-with-better-cardiovascular-health
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCOUTCOMES.118.005342
https://www.vetmed.ucdavis.edu/news/faqs-pet-owners-during-covid-19-pandemic

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ガニング 亜紀(ガニング アキ)

ガニング 亜紀(ガニング アキ)

南カリフォルニアにて、12歳のドーベルマンミックスと11歳のミニピンと暮らしています。2011年から6年間ブログメディアdog actuallyに執筆しておりました。 アメリカのユニークなペットフード事情や、犬の心と体のケアに関する情報の中から日本の犬たちにも役に立つものをお伝えしていきたいと思います。