犬も大好き「季節の食材ターキー」から考える
今回は ガニング亜紀 さんの記事です。
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11月、アメリカではサンクスギビングデー(感謝祭)の月です。サンクスギビングはクリスマスと並ぶ2大ホリデー。
家族が揃ってごちそうの食卓を囲む日で、ディナーの主役はターキー(七面鳥)です。
犬にとっても馴染みの食材であるターキーのあれこれのお話をしたいと思います。
サンクスギビングとターキーと犬の歴史
サンクスギビングの起源は、1620年にイギリスからアメリカ大陸に移住した人々が冬の厳しさに直面して多くの死者を出したものの、原住民から現地の作物の栽培方法などを教わって生き延び、翌年の秋にお礼の食事会を開いたことと言われています。その時に振る舞われたのがアメリカ大陸原産の七面鳥でした。
最初にアメリカ大陸に渡ったメンバーの中には2匹の犬が含まれていたという記録が残っています。一匹はマスティフ、もう一匹はスプリンガータイプのスパニエルで、彼らも最初のサンクスギビングのターキーのお相伴にあずかったと考えられています。同じ頃、イギリスにも七面鳥が持ち込まれて食用として広まっていったので、ヨーロッパやアメリカの犬は17世紀頃からターキーを口にして来たと思われます。
「犬はターキーを食べても大丈夫?」の質問が出る季節
私も最初は「ターキーが原料のドッグフードがたくさん売られているんだから大丈夫に決まってるじゃないの」と思っていたのですが、これは丸ごとローストしたターキーを愛犬にも少しおすそ分けしても大丈夫?とか、ターキーが大量に残ってるんだけど犬にも食べさせていい?という『サンクスギビングディナーのローストターキー』のお話なんですね。
そしてこの質問の答えは「塩や香辛料がたっぷりかかっている表面の皮と、硬い骨を取り除いた内側のお肉部分だけなら大丈夫。ただし焼く時の詰め物に玉ねぎやニンニクを使った場合にはその部分も注意深く避けましょう。そしてもちろん食べ過ぎにはくれぐれも注意。愛犬の健康のためには人間の食事のおすそ分けはホリデーシーズンの特別行事だけのお楽しみにするのがベター。」という感じです。日本でもクリスマスやお正月を前にして改めて心しておきたいことですね。
ドッグフードの食材としてのターキー
低脂肪で消化も良く犬のタンパク源としては理想的なもののひとつです。
チキンにアレルギーがある犬の場合、代わりにターキーを選ぶという人も多いのですが、ここで注意することがあります。
チキンが食べられない犬はターキーもダメというのは必ずしも正しくはありません。チキンはダメでもターキーならアレルギー反応や下痢を起こすことなく安心して食べられるという例も多くあります。けれども鳥類の肉というカテゴリーで見ると、チキンがダメでターキーもダメという犬の割合は、チキンがダメでダックもダメという割合よりも高いそうです。
これは簡単に言ってしまうと「鶏と七面鳥」は「鶏とアヒル(またはカモ)」よりも種として近いからです。水面を泳いだり空を飛んだりするアヒルやカモといった水鳥の筋肉は赤血球を介してより多くの酸素を供給されます。泳がず飛ばない鶏や七面鳥の肉に比べて、アヒルやカモの肉の赤色が強いのはそのためです。鶏や七面鳥のグループとアヒルやカモのグループは違う進化をした種であるから、アレルギーや過敏反応なども共通しない場合が多いということです。
チキンベースのフードでアレルギーや消化不良が起こる場合にターキーベースのフードを試してみるという場合は、試供品やお試しサイズなどを利用して慎重に選ばれることをお勧めします。
おわりに
17世紀に新大陸に渡って来て以来、アメリカ人のルーツの食べ物とも言えるターキーは、彼らといっしょに過ごしてきた犬たちにとっても馴染みの深い食べ物です。何世代にも渡って食べてきた食材は、基本的にはその犬種の体に合っているものですから、ヨーロッパ原産の犬の多くにとってターキーは良質なタンパク源のひとつです。ターキーベースのドッグフードをバリエーションのひとつとして取り入れるのも、特に洋犬にとっては良いアイデアですね。
ただし、チキンにアレルギーや過敏反応を起こす犬はターキーも同様になる可能性があるので、その場合は慎重に。
日本人にはあまり馴染みのないターキーですが、ターキーベースのフードやトリーツなどを取り入れることで、愛犬の食生活もひとつ豊かになりそうですね。
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