2018.09.18一緒に。もっと、

本当のリードの意味

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本当のリードの意味

こんにちは!ケーナイン・ストレスケア・スペシャリストの清水です。
昨今、世界の多くの国で様々な犬が人間の良きパートナーとして、そして仕事仲間として活躍し暮らしています。日本においても代表的なのが盲導犬や聴導犬、介助犬、警察犬、警備犬、救助犬、麻薬探査犬が人間の仕事のパートナーとして働いています。世界では、セラピードッグやがんや病気の匂いをかぎ分ける犬などの大きな活躍の記事を目にすることが増えてきており、嬉しい限りです。

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バディとしての犬

これらの犬たちは、バディと呼ばれる人間の相方とパートナーとなり、活動することが多いとされています。トレーニングはもちろんのこと、場所や職業によって異なりますが普段の多くの生活も一緒に過ごすことが重要であり、多くの時間を過ごすことによってお互いの性格や考え方、そして「信頼関係」と「絆」を築くことができるのです。この2つの大きな繋がりが、過酷な仕事でも一緒に乗り越えて行ける大きな基礎となり、普段のトレーニング以上の力を発揮する糧となります。お互いがお互いを高め合い、人間が100%、犬が100%の力を発揮することによって、相乗効果で150%以上の成果を出すことができると個人的には思っています。

家族としての犬

家庭犬も同様に、家族の一員となり、かけがえのない時間を共有してくれます。人によっては、誰よりも時間を共にするパートナーとなり、日々の愛情が元となり、素晴らしい経験をさせてくれていると思います。彼らが居てくれているだけで生活は何倍も楽しくなり、幸せになっている方も少なくないと思います。

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リードの存在

「信頼関係」と「絆」以外に、深く犬たちと人間をつなぐものがあります。それは「リード」です。これは道具としては人間と犬を物理的につなぐものですが、他にはハーネスや胴輪というものもあります。しかし、これらの道具は本当に物理的に犬を繋いでいるだけでしょうか? 犬を物理的に繋ぐことにより、お散歩やトレーニング中にどこへもいかないようにするものなのでしょうか? この道具があれば犬は自由に動くことはできず、動きは制限することが可能です。

日本でのオフリード

日本の法律では、公道では犬をオフリード(リードから放し、自由にさせること)にすることは禁止されており、一部のドッグランや私有地内でしか認められておりません。対象的にイギリスでは多くの公園内ではオフリードは許され、飼い主の責任の元に可能となっています。これだけを取り上げてみると犬の自由を奪っている感じがすると思いますが、「リード」は大切で掛け替えのない犬の命を守る、とても重要な道具であるということも忘れてはいけません。
犬たちにとっては、自然界には存在しない車などの大きな危険が直ぐそばに存在しています。そしてこれらの脅威は犬の命を一瞬にして奪ってしまう怖いものでもあります。また警察犬や警備犬、救助犬は危険な場所での作業が主とされている事実から、その危険度はとても高いでしょう。また聴導犬や盲導犬も人間の命を預かることから、ある意味危険に対しての責任は大きくなります。この危険を少しでも軽減し、人間が犬を守ることができるのが「リード」なのです。この場合、「リード」=「信頼関係」=「」という方程式が完成されます。

犬の法律上のポジション

日本の法律上、例えば愛犬が不慮の事故で車に轢かれてしまい、命を落としてしまった場合、物損事故としての処理になってしまいます。というのも、ペットは刑事上「物」として扱われており、盗まれたとしても「誘拐」ではなく「窃盗」となります。よって、刑事上の補償とすれば、時価からの計算となり、精神的苦痛などから考えれば、無いのにも等しいものだと思います。しかし、愛犬の命は絶対にお金で換算できるものではなく、絶対に過失により失ってはいけないものです。失ってしまえば二度と取り戻すことはできず、いくら後悔しても取り戻すことは不可能です。また、例えばオフリードで轢かれてしまった場合、こちらに過失があると判断されることもあり、その場合、逆に車の破損に関して、損害賠償が適用された場合もあります。これでは、泣くに泣けず、苦痛もより一層深いものになってしまいます。よって、未然に防ぐために、日々のトレーニングが必要になる訳です。そして、その目的は「犬をいうことをきかせる為」ではなく「掛け替えのない愛犬の命を守る為」に変化する筈です。

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最後に

どんな人でも愛犬に合ったトレーニング方法を使用することにより、「リード」を拘束するものから安心できるものに変化させることができます! また、並行して常に横を歩く訓練(ヒール)をすることにより、リードが張らずにお散歩などをすることができ、犬たちに掛かるストレスを軽減することも可能なのです。こうなった場合、犬もリードを安心できるものと認識することができ、最終的にお互いに取り一番良い環境、すなわち「犬が笑顔」になれる社会作りができると思っています。リードは、犬と人間を繋ぐ「絆=手」です。この様に見方を変えて、トレーニングをしてみてください! きっと普段と違ったトレーニングができると思います!

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清水 克久(しみず かつひさ)

英国Natural Animal Centre (http://naturalanimalcentre.com/)で、ケーナイン・ビヘイビアーとバッチフラワーレメディを学び、アニマルプラクティショナー(BFRAP)を取得。ストレスケアを中心に、行動学や生理学など科学の面からも解説するケーナイン・ストレスケア・スペシャリスト。元Dog Actuallyライター。ホリスティックケアカウンセラー。