2018.04.27一緒に。もっと、

【犬種シリーズ】プードル~トイプードル人気は日本独自の現象

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文と写真 藤田りか子
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日本の現象、トイプードル人気

日本は世界でも珍しいほどにプードル好きの国なのですね。ジャパンケネルクラブの統計によれば、ここ10年間プードルが最も登録数の多い犬種としてコンスタントに一位の座についています。日本は大抵アメリカの犬事情の影響を受けるものですが、アメリカにおけるプードルの位置というのは決して流行犬種ではないのです。どちらかというと家庭犬としての定番。過去10年の統計を見ても7、8位のランクで安定した人気を誇っています。

プードルに関してさらなる日本的ユニーク現象は、トイプードルが大人気であるということでしょう。そう、プードルでも一番小さなサイズに属するタイプ。ところでご存知ですか?日本も含めヨーロッパの国々(イギリスを除く)ではプードルには4種のサイズが存在することを。参考までに以下がFCI(国際畜犬連盟)に属する各国のケネルクラブで公式に発表されているプードルのサイズ区分とその名称です(日本のケネルクラブもFCIに属します)。

スタンダード・プードル 45cm-60cm
ミディアム・プードル  35cm-45cm
ミニチュア・プードル  28cm-35cm
トイ・プードル     26cm-28cm

プードルと言えば、かつてスタンダードプードルを思い出していたもの!

ヨーロッパ諸国ではトイプードルよりもひと回り大きいミニチュア・プードルに人気が集まっています(日本では一番登録数が少ないバリエーションなのですが)。そして一番大きなスタンダード・プードルも珍しくありません。

日本ならでは、のプードル事情はまだあります。何と言ってもアプリコット・カラーのコートを持つトイプードルが非常に多いこと。これは流行現象といってもいいですね。私が住んでいるスウェーデンで、このカラーはそれほど一般的なカラーではありません。それよりもブラックやホワイトの方が圧倒的にメジャーです。

レトリーバーという歴史を持つ!

プードルの祖先犬とも言われているフランスの原産犬、バルビー。この写真の通り中には狩猟犬として活躍している犬も!

プードルは最初ヨーロッパで水猟犬として活躍をしていました。すでに17世紀絵画にその様子が描かれています。当時の巻き毛の水猟犬は、その美しさを認められ改良を重ねられた末に、現在の優雅なプードルの姿に変身してゆきました。ところでフランスにはバルビーという犬がいます。これは、当時の巻き毛の水猟犬のうち、ショー・ドッグ化されなかった系統の犬です。すなわちプードルのオリジナルの姿をとどめています。この犬の体高は、53cmから58cm。スタンダードプードルの大きさとほぼ一致。よって、プードルのサイズの歴史は、スタンダードからはじまり、ひとまわり小型の犬も犬種標準として認められ、その後、小型の犬はさらに細区分を受けて、トイ確立に至ったと言えるでしょう。

というとあたかもトイが一番歴史としては浅いようにも聞こえますが、実際のところ、ヨーロッパの歴史においてすでにトイと思われるプードルは、宮廷など貴族の間では存在していました。当時の犬は、同時に現在のマルチーズやビション・フリセーなどの先祖とも考えられています。さらに1700-1800年代、小型のプードルは技を上手にこなすサーカス犬としても重宝されていたそうです。

散歩もアクティビティも大事!

歴史的にレトリーバーであったり、サーカス・ドッグでもあったり、それは彼らの多才性を示しているとも言えるでしょう。頭がいいし、すぐに学習をします。のんびりと家庭犬として過ごすこともできますが、様々なアクティビティにもぴったりなスポーツドッグ。技を教えれば、バッチリとその才能を見せてトレーニングに答えてくれます。家族には元気でやんちゃに。ただし他人に対しては割合楚々としている子が多いかもしれません。だからと言って他の犬や人に対して見張り気質を見せて周りを不愉快にさせることは決してありません。

ところで、トイプードルに関して、「運動や散歩をしなくても飼える犬種」というような情報が巷に流れているのはとても残念なことです。が、犬のウェルフェアに鑑みれば、これがどんなに間違った情報であり、モラルに欠いた犬に対する見解であることか!はっきりいってサイズは関係ありません。精神面に刺激を与えるためにも、どんな犬も等しく散歩が必要です。そうすることで問題行動も十分防ぐことができます。メンタルの健全性を保つために、どうかどうか、トイプードルとは言え、毎日外に出て散歩をして欲しいと思います。家や仕事の事情で散歩ができない、という人は犬を飼うということ自体、一度踏みとどまってみるべきでしょう。トイプードルは決して「忙しい人」にもぴったりの犬種ではありません。

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藤田 りか子(ふじた りかこ)

藤田 りか子(ふじた りかこ)

ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。