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犬の目薬の差し方|嫌がるときの対処法と練習方法を解説
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愛犬(パートナー)の目薬を上手に差す方法をご紹介します。目薬を上手にさすコツや注意点、愛犬が目薬を嫌がる理由まで詳しく解説いたします。
愛犬に目薬が必要な機会とは
私たちは一日のうちにパソコンやモバイルを見る時間が長くなったせいで、ドライアイを発症し目薬が手放せなくなることがありますね。犬にもドライアイという症状があります。もちろん原因は人とは違いますが、なんらかの理由で涙の分泌量が減り目の表面が乾きやすくなってしまうのです。
目が乾くと角膜が傷つきやすくなるため、涙の代わりに目薬で潤す必要があります。そのほか、目薬が処方される場合がある症状として、角膜潰瘍、白内障、緑内障などがあります。
特に目が大きいシー・ズー、パグ、フレンチブルドッグといった犬種では目を傷つけやすいのでトラブルがでやすい傾向があります。
愛犬に目薬を差す方法【基礎編】
愛犬に目薬を差すときは、できるだけスムーズに、短時間で終わらせることがポイントです。ここでは、顔を触れられることに慣れている愛犬を前提に、基本の点眼手順をご紹介します。
基本の点眼手順(1人で行う場合)
1. 飼い主に背を向けるように座らせる
→飼い主の足の間に愛犬を入れるような形が安定しやすくおすすめです。
2. 目薬を持っていない手で、愛犬のあごの下と軽く支える
→顔をまっすぐ上に向けさせ、動きをやさしく制御します。
3. 目薬を持った手の小指や薬指で、頭の上を軽く支える
→手の安定感が出て、急な動きにも対応しやすくなります。
4. 瞼を軽く開き、目薬を素早く差す
→狙いを定めすぎると犬が動いてしまうので、こぼれてもいいつもりで素早く。
◆ポイント
頭に添える小指、薬指でうまくまぶたを開いたままにできると目薬が入りやすいです。
点眼後は軽くまばたきを促すように目の周りを撫でてあげましょう。
愛犬が嫌がるときの対処法【応用編】
目薬を差すのを嫌がって逃げる、暴れる、噛もうとする、など、そんなときは、無理に押さえつけて差すよりも、少しずつ慣らしていくことが大切です。ここでは、嫌がる愛犬に少しずつ点眼に慣れてもらうための工夫をご紹介します。
1. まずは「嫌がる理由」を探る
・顔を触られることに慣れていない。
・前からゆっくり目薬が近づいてくるのが怖い。
・あごや頭を強く固定されることが嫌。
・飼い主の緊張感が伝わってくる。
など。
2. 「見えない位置」からアプローチする
犬は目薬が近づいてくるのを見ると、それだけで身構えてしまいます。差すときは、背後や真上からできるだけ目薬が見えないようにします。
・愛犬を飼い主の足の間に座らせる
・顎を支えて、顔を上に向ける
・目薬を上からそっと差す(愛犬の視界に入れない)
3. ごほうびで印象を変える
目薬のあとに必ずごほうび(おやつ)を与えることで、「嫌なことがあったけど、いいこともある」と記憶が書き換わっていくことを期待する方法です。
・終わった直後に落ち着いた声で褒め、おやつを与える
・点眼→褒める→終了、のルーティンを毎回同じにすると安心感が増します
※ただし、点眼中におやつを見せると興奮しすぎて逆効果になる場合もあるので注意。
4. 二人がかりの「協力作戦」も有効
犬が大きく動いてしまう場合は、家族に手伝ってもらいましょう。
・1人は犬の正面で気をそらす係(おやつや声かけ)
・もう1人が後ろからすばやく点眼する係
※ご家庭の状況や犬の性格によって向き不向きがあります。無理は禁物です。
5. どうしても無理な場合は病院や代替法を検討
どうしても家で点眼できない場合は、無理せず動物病院で点眼してもらう方法や、軟膏タイプへの変更、内服薬の検討など、症状によっては獣医師と相談することができるかもしれません。
※軟膏は液体と比べて、流れにくく成功率が高い、少ない回数で効果が長持ちする場合があるなどが理由です。犬によっては点眼より恐怖反応が小さい可能性があります。ただし、自己判断で選ぶのではなく、愛犬の状態に合うものがあるか獣医師に相談してください。
6. 事前にしておくとよいこと
・目の周りを拭いておく
・目薬を室温に戻しておく(冷蔵保存の場合など)
・ティッシュやコットンを用意しておく(こぼれても慌てないために)
目薬に慣れさせる練習法【ステップ別】
動物病院で目薬を処方されたけれど、自宅ではうまく差せずに困ることは少なくありません。処方された薬は、すぐに点眼が必要なケースが多いため、本来ならその日のうちに差す必要があります。どうしても愛犬が警戒して差せないというときには、まずは動物病院に相談してから以下のようなステップで「点眼に慣れる練習」をしてみるのもひとつの方法です。
1. 顔を軽く触る⇒ほめておやつ
2. 目薬のボトルを近づける⇒(顔に)触れるだけ
3. 目薬を頭上から近づける⇒まだ点眼しない
4. 目の近くに持ってきて⇒すばやく点眼する(1回でやめる)
※練習の際に処方された薬を使うのは避けてください。練習には目薬に似た容器(使い切った容器)や人工涙液(獣医師の承諾があった場合)を代用します。
嫌がるだけでなく、飼い主とのコミュニケーションが嬉しくてじっと出来ないというパターンもあります。じっとできること、顔に触られることに慣れさせておくことは、病院での診察時や家族以外の人との接触時にも役立ちますので練習しておくことがおすすめです。
おやつに集中するのが得意な愛犬であれば、二人がかりで役割分担をするのも良いでしょう。お座りをさせた状態で、一人は愛犬におやつに集中させる係、もう一人は素早く目薬をさす係です。ただし、おやつを見せることでかえって落ち着きがなくなる場合もありますので、興奮させないように注意が必要です。
やってはいけないこと【注意点】
目薬を差すとき、うまくいかないと焦ってしまいがちですが、無理な方法はかえって逆効果になることもあります。以下のような行動は、愛犬にとってストレスや恐怖の原因になるため、避けるようにしましょう。
正面から目を見つめながら差す
犬にとって、目をじっと見つめられるのは威圧的な行為です。正面から目薬を構えると、警戒心が強まり、逃げたり暴れたりする原因になります。
マズル(鼻先)を強くつかむ
動かないようにと力を入れてしまうと、犬は「押さえつけられた」と感じて抵抗します。軽く支える程度にとどめ、安心感を与えることが大切です。
冷たいままの目薬を使う
冷蔵保存していた目薬をそのまま使うと、ひんやりした感覚に驚いて嫌がることがあります。使用前に手のひらで少し温めて、常温に近づけてから使いましょう。
失敗を恐れて緊張しすぎる
飼い主の緊張は、犬にも伝わります。「絶対に失敗できない」と思うほど、手が震えたり動きがぎこちなくなったり、犬が不安を感じてしまいます。多少こぼれても大丈夫、という気持ちで落ち着いて行いましょう。
無理に押さえつけて続ける
一度嫌な思いをすると、次からますます嫌がるようになります。うまくいかないときは一旦中断し、時間をおいてから再チャレンジする方が、結果的にスムーズに進むことが多いです。
Q&A
Q1. 犬が目薬を嫌がって暴れるとき、どうすればいいですか?
A. 無理に押さえつけるのではなく、まずは顔を触られることに慣れさせる練習から始めましょう。目薬が見えない位置から差す、終わった後にごほうびを与えるなど、少しずつ慣らす工夫が効果的です。
詳しくは「愛犬が嫌がるときの対処法【応用編】」をご覧ください。
Q2. 人間用の目薬を犬に使っても大丈夫ですか?
A. 基本的に人間用の目薬は犬には使用しないでください。成分や濃度が犬に合わない場合があり、症状を悪化させるリスクがあります。必ず獣医師に処方されたものを使いましょう。
Q3. 目薬を差すのに失敗してこぼれてしまいました。もう一度差してもいいですか?
A. 少量こぼれてしまった程度であれば、無理にもう一度差す必要はありません。ただし、ほとんど入っていない場合は、犬が落ち着いてから(数分は時間をおいてから)再チャレンジしてみてください。そもそも1回に1滴ていどしか目の中に液体をためることができません。それ以上入れてもこぼれるだけなんです。
点眼のコツは「愛犬に目薬を差す方法【基礎編】」で詳しく解説しています。
おまけ:犬に使われる目薬の種類【豆知識】
目薬とひとくちに言っても、実はさまざまな種類があります。ここでは、動物病院でよく処方される目薬のタイプを、ざっくりご紹介します。
人工涙液タイプ
→ 涙の代わりに目を潤すための目薬。ドライアイや軽い刺激の緩和に使われます。
抗菌薬入りの目薬
→ 細菌感染が疑われる場合に処方されます。結膜炎や角膜潰瘍などに。
ステロイド入りの目薬
→ 炎症を抑えるために使われますが、使用には注意が必要。獣医師の指示が必須です。
眼軟膏タイプ
→ 液体よりも長くとどまりやすく、点眼が難しい子に使われることもあります。
※これらはあくまで一例であり、症状や犬の体質によって処方されるものは異なります。詳しくは必ず獣医師にご相談ください。
まとめ
目薬をさすのは少々コツが必要です。目薬に限らず、顔を触っても平気な状態になるよう基本的な信頼関係を作っておくことは大切です。
シニア期になると、体調の衰えとともにさまざまなケアが必要となります。ご紹介した目のケアをきっかけに、愛犬への接し方を改めて工夫してみてはいかがでしょう。
ケアと聞くと大変なことのように感じてしまいがちですが、毎日のスキンシップのひとつと思えば、気軽なものに感じないでしょうか。







