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犬の車酔いを克服!原因から対策まで完全ガイドで快適ドライブ
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この記事では、犬の車酔いの原因から具体的な対処法、そして予防策までを徹底解説します。パートナー(愛犬)との快適なドライブを実現し、お出かけの楽しさを広げましょう。
犬とのお出かけ手段として、公共交通機関は制限も多く、車がメインという方は多いのではないでしょうか。ドライブが好きな犬がいる一方、車に乗るのが苦手な犬もたくさんいます。車が苦手だと、楽しいはずのお出かけもなかなか楽しめませんよね。また、車が好きな場合でも、犬が窓から顔を出したり、犬を膝の上に載せて運転したりすることは道路交通法違反だということをご存知でしょうか。
犬の車酔いの症状:見逃さないサイン

落ち着きのない行動してない?
犬が車酔いする原因は人と同じで、車の揺れにより、耳の奥にある三半規管や前庭が刺激されることで起こります。しかし犬の場合はこれだけではありません。車に乗り慣れていない、車に乗ることが自分の嫌な経験につながると覚えている場合は、車が動いていなくても不安や恐怖心から車酔いのような症状が現れます。
以下の症状が見られたら、愛犬が車酔いをしているサインかもしれません。
落ち着きがない: そわそわする。頻繁に場所を変える。
大量のよだれが出る: 口の周りや床が汚れるほど。
あくびを頻繁にする: 緊張やストレスのサインです。
震える: 小刻みに震える。全身を硬くしている。
鳴く: 不安や不快感を示す吠え声や鳴き声。
嘔吐する: 胃液や未消化の食べ物を吐き出す。
パンティング(荒い呼吸): 舌を出してハアハアと呼吸する。(暑さだけでなく、ストレスのサインでもあります)
震えながら伏せる、隠れようとする: 車から逃れたいという気持ちの表れです。
犬の車酔いの原因と3つのタイプ別対処法
車酔いをする場合、まずは原因を探りましょう。原因によって対処方法は異なります。愛犬がどのタイプに当てはまるか、よく観察してみてください。
1)車に乗り慣れていない(経験不足型)
犬が受け入れられる範囲から徐々に車に乗ることに慣らしていきます。時間がかかりますが、トラウマにならないように焦らず取り組むことが成功の近道です。
練習方法のポイント
・はじめのうちは、エンジンをかけずに車内で過ごすことから始め、少しずつエンジンをかけたり、短時間(例えば数分)のドライブにとどめておきましょう。
・車に乗ったら「楽しいことや嬉しいことが起こる」という経験をたくさんさせてあげましょう。大好きなおやつを与える、お気に入りのおもちゃで遊ぶ、目的地で楽しい散歩をする、などが効果的です。
・練習の場合も日を分けて行い、短時間で切り上げることを徹底します。
2)車に乗ると嫌なことが起こると覚えている(トラウマ型)
この場合も基本的には 1)と同じですが、すでに車に乗ることがトラウマになっているので、より簡単な場面からはじめるようにします。
練習方法のポイント
・まずは停車している車に近づくだけ、次にエンジンのかかっていない車に乗るだけ、というように、ごく短い時間からスタートします。
・成功したら、犬が大好きなご褒美(最高級のおやつやおもちゃなど)を惜しみなく与え、すぐに練習を終えましょう。
・無理強いは絶対にせず、少しでも嫌がる素振りを見せたら中断します。
・上手くいかない場合は方法や褒めるタイミングが間違っている可能性があるので、プロのドッグトレーナー(行動学の専門家)に相談しましょう。専門家は、愛犬の状態に合わせた具体的なトレーニングプランを提案してくれます。
3)車に対する恐怖心はないが酔う(身体的・三半規管刺激型)
身体的な問題なので、酔いにくい工夫が必要です。安全対策にも関わってくるので、ぜひ参考にしてください。
ドライブ中の車酔い対策:物理的・環境的アプローチ

大きく揺れない工夫が大切
身体的に酔いやすい愛犬のために、車の揺れや環境を整えることが大切です。
車の揺れを軽減する工夫
・クレートやキャリーバッグの活用と固定
クレートをシートベルトなどで固定すると犬にとっても人にとっても安全性が上がり、身体の揺れも最小限におさえることができます。クレート内にクッションをいれるなどして、フィット感が上がるように工夫します。クレートは外出先でも便利なので、普段から慣らしておくことをおすすめします。
もしクレートに慣れていない場合は、シートベルトに固定できるタイプのハーネスを使用し、急な揺れにも対応できるよう安全を確保しましょう。ただし、ハーネスのみではクレートほどの安定感は得られないため、できる限りクレートに慣らすことを推奨します。
・安定した座席の確保
可能であれば、犬を後部座席の中央など、揺れが少ない場所に座らせることを検討しましょう。視界が開けすぎると刺激が増える場合もあるため、クレートに入れて目隠しをするのも有効です。
・運転方法の工夫
急加速や急ブレーキ、急ハンドルは揺れの原因です。車間距離を十分にとり、愛犬が落ち着いて車に乗れるようなゆったりとした安全運転を心がけましょう。カーブはゆっくりと、なるべくスムーズに曲がります。
ドライブ前の食事と休憩
・ドライブ前の食事について
胃の中に食べ物が残っていると、嘔吐しやすくなります。目安として出発の3~6時間前までには食事を済ませ、目的地に到着するまでは絶食をさせましょう。ただし空腹すぎると吐きやすくなる犬もいます。また犬によっては、ドライブ中もご褒美としておやつを食べているほうが、気持ちが安定するタイプの犬もいます。個体差があるので、愛犬のタイプに合わせて食事のタイミングや与える量は対応しましょう。
・こまめに休憩する
気分転換に車から降りて散歩することは、車酔い予防に最適です。休憩の頻度は、少なくても2時間に1回、車酔いしやすい場合はできれば1時間に1回の休憩がおすすめです。休憩中は、車から降りて少し歩かせ、新鮮な空気を吸わせてあげることで気分転換になります。ただし、リードは必ず着用し、安全な場所で行いましょう。
パーキングエリアでは排泄を済ませ、必要に応じて水分補給も行いましょう。ただし外気温が高いなど道が熱いときは注意が必要です。愛犬がやけどしないように土や草の上ではない歩道(特にアスファルトやコンクリート)の温度にも注意しましょう。
社内環境の調整
・暑さ対策と適切な温度管理
犬は暑さに弱く、特に夏は熱中症対策が必須です。理想の車内温度は、20~25℃。人が少し肌寒い程度を目安に車内の温度調整をしましょう。また夏場でなくても、エアコンのかかっていない車内は短時間であっても温度が上がります。犬だけを車内に残すことのないよう心がけましょう。(これは真夏でなくても危険です)。水分補給も忘れずに行いましょう。
・適度な喚起とニオイ対策
車の独特なニオイが苦手な犬もいます。窓から顔を出すことは厳禁ですが、車内に空気がこもらないよう空気を入れ替えすることも心がけましょう。車内のニオイ原因は以下のようなものです。
- 芳香剤
- 車内で食べた飲食物
- 知らず知らずの間にしみついた汗
- 動物の毛や皮脂
- 靴に付着した泥や雨水
- エアコン
- タバコの煙
など。
ニオイを消すために使った芳香剤がかえって犬の車酔いをひどくしてしまう場合もあります。どうしても付いてしまうニオイについては重曹など、犬にもやさしいお掃除用品を使って清潔を保ちましょう。定期的な車内清掃も有効です。
車酔い予防におすすめのホリスティックケア
1) マッサージ
車に乗る30分~1時間前に行うのがおすすめ
(1) へその周りに円を描くようにやさしくなでます
(2) 肉球をやさしく揉みます
(3) 首から尾に向かって背中の皮膚をやさしく持ち上げます
2)アロマテラピー
ペパーミントの香りが好きで、普段から好んでペパーミントの精油の芳香浴をしている愛犬は、車内でもアロマテラピーがおすすめです。ただし、普段からこの精油に慣れていない犬の場合は使わないようにしましょう。
3)バッチフラワーレメディ
植物のエネルギーを用いたフラワーエッセンスです。車に乗ることに緊張しやすい愛犬にはレスキューレメディを、車に対する恐怖心がある愛犬には、ミムラスという種類がおすすめです。
車酔い以外の犬と車に関する注意点
愛犬との安全なドライブには、車酔い対策以外にも注意すべき点があります。
犬を膝の上に載せての運転はNG
道路交通法により、運転者の視界や操作を妨げる行為は禁止されています。犬を膝の上に乗せて運転することは、事故の原因となるだけでなく、法律違反となり罰則の対象です。
犬を窓から顔を出させるのは危険
犬が窓から顔を出す姿は微笑ましいですが、飛来物による目の損傷や、急ブレーキ時の落下、リードが木などに引っかかるなど、非常に危険が伴います。必ず車内に入れて、安全な状態で移動させましょう。
長時間の駐車中の車内放置は絶対に避ける
特に夏場は短時間でも車内温度が急上昇し、熱中症や命に関わる事態に繋がります。エアコンをつけていても、故障や燃料切れのリスクがあります。冬場でも、低温で体調を崩す可能性があります。絶対に犬だけを車内に残して離れないでください。
急ブレーキや衝突時の安全性
犬が車内で自由に動ける状態だと、急ブレーキや衝突時に車内で衝突したり、窓から投げ出されたりする危険があります。クレートや専用ハーネスで固定することで、万が一の際の愛犬の命を守ることに繋がります。
獣医さんと相談するタイミング
「色々な対策を試したけれど、どうしても車酔いが改善しない」「車に乗るたびにひどく嘔吐してしまう」「車に乗ること自体に強い拒否反応を示す」といった場合は、一度獣医さんに相談することをおすすめします。
車酔い対策の薬
獣医さんは、犬の症状や体質に合わせた車酔い対策の薬(酔い止め薬や鎮静剤など)を処方してくれる場合があります。特に長距離移動が多い場合や、どうしても車に乗る必要がある場合に有効な選択肢です。
行動治療
極度の不安や恐怖心から車に乗れない場合は、行動治療に詳しい獣医さんやドッグトレーナーを紹介してもらえることもあります。専門家のアドバイスは、愛犬のストレスを軽減し、快適なドライブへと導く大きな助けとなります。
隠れた病気の可能性
稀に、車酔いの症状の裏に、内臓疾患や神経系の問題など、他の病気が隠れている可能性もあります。獣医さんに診てもらうことで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けることができます。
まとめ

今度のドライブはどこに行きたい?
犬の車酔いにはいろんな対策やアイテムがありますが、どれを選ぶかは愛犬のタイプによって異なります。まずは愛犬の心に耳を傾け、原因をさぐってから解決方法を見つけていきましょう。
愛犬も人も笑顔になれる余暇を過ごしてくださいね。







