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犬にも撫でられたくないときがある。信頼関係を築く「同意テスト」とは?
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犬を撫でるのは楽しくて優しい気持ちにもなれて、とても素敵なことですよね。とは言え、いきなり犬の頭の上に手を伸ばすのはNGです。犬は言葉で答えてはくれませんが、犬が触られてもいいと思っているかどうかを判断する同意テストをご紹介します。
※この記事はオウンドメディア「犬のココカラ」に掲載されたガニング亜紀さんの原稿を元に、GREEN DOG & CAT ライフナビ編集部が編集してお届けしています。
他人の犬を触りたい時の同意テスト

犬を触る時には飼い主さんに「触ってもいいですか?」と声をかけてからというマナーも広まって来ました。
では実際に触られる犬の同意はどうでしょうか?「え!どうやって犬の同意を得るの?」と思われたでしょうか。もちろん犬は言葉で答えてはくれませんが、犬が触られてもいいと思っているかどうかを判断する方法があります。
犬にあることをしようとした時(この場合は「触る」)に当の犬がそれに同意しているかどうかを知るために、犬の仕草を見て対応することをconsent test=同意テストと言います。
例えば、公園で出会った散歩中の可愛い犬や、譲渡会で心惹かれた犬を触ってみたいと思った時。飼い主さんや担当者に触っても良いかどうかを尋ねた後に、犬がどう思っているかを確認するにはまず犬が近づいて来るのを待ちます。
飼い主さんが「いいですよ」と言っても自分から犬の方に行って触ろうとするのはやめましょう。それでは犬に選択肢がないからです。
犬があなたに興味を持っていれば自分から近づいて来ます。もしも立ち止まったままだったり後ずさりしたらNOのサインです。
こんなボディサインなら触るのを止める
犬が近くに来てくれた場合にはボディランゲージをよく観察します。
- 顔の表情がこわばっている
- 耳が警戒してピンと立っている
- 体全体の筋肉が硬直している
- 尻尾が下がって脚の間に入っている
- 尻尾を水平にして小刻みに振っている
これらが見られた場合には、触ることはもちろん同意テストをすることも止めます。
犬がくねくねしながら近づいてきたときは?
犬がリラックスした様子で体を寄せて来たり、くねくねしながら近づいて来た場合には同意のテストを試すことができます。犬の頭の上に手を伸ばすことは避け、撫でる手が犬の視界に入る部分(胸や首など)を1〜2回撫でて手を止めます。この時に顔を背ける、目をそらす、口周りを舐める、静止しているなどの様子が見られたらテストの答えはNOですので犬から離れましょう。
同意テストの答えがYESの場合は誰の目にも明確です。犬はあなたに顔を近づけたり、体を擦り付けたりして、撫で続けることを要求して来ます。
犬がくねくねしながら近づいてくる行動の意味
犬がくねくねしながら近づいてくるときは、歓迎の気持ちなど喜びの表現と考えます。たとえば飼い主が帰宅した際、愛犬が奥の部屋からくねくねしながら寄ってくる様子をよくみかけませんか。
他人の犬でも、あなたに向かってそのような行動をとっていたら、まずは敵意や闘争心等の気持ちではないと思っていいでしょう。ただし、念のために先述のように落ち着いて同意テストを行って、触ってもいいか犬の気持ちを確かめましょう。
自分の愛犬を触る時も同意テストが大切

触る対象が自分の犬でない場合には誰もが慎重になりますが、自宅で愛犬を触る場合にも同意テストは大切です。人間と同じように犬も撫でられればいつでも嬉しいというわけではありませんし、撫で続けられているうちに飽きて来るという場合もあります。
ソファーで隣に座った愛犬を撫でている時、1日の終わりに愛犬の体を撫でながらリラックスしている時、このような最高に幸せなひとときを過ごしていても時々手を止めて愛犬の様子を観察しましょう。「もっと撫でて欲しい」という明らかな意思表示をする場合もあれば、手を止めたのを機に離れていく場合もあるでしょう。
愛犬が、いつ、どのくらい触られたいのかを尊重することは犬と人の信頼関係を築くためにもとても大切です。また日常的に犬の同意テストを行って反応を観察することが習慣になると、愛犬のボディランゲージを読むことが自然と身についていきます。
犬のボディランゲージを読む時に気をつけたいこと

犬のボディランゲージは書籍やインターネットなどで数多く解説されています。耳の向きや尻尾の振り方、目や舌の動きなどたくさんの注目すべきポイントがあって、勉強し始めたばかりの人は「こんなにたくさん覚えきれるだろうか?」と心配になるかもしれません。
また、犬の仕草や行動が意味するところを覚え始めた段階では特定の部位に意識が集中してしまって犬が体全体で発しているサインを見逃してしまうかもしれません。
犬のシグナルやボディランゲージは『全体』を見ることがとても大切です。一つ一つのシグナルを覚えていなくても、顔や体の筋肉が硬直してこわばっている場合は拒否や恐怖などネガティブな反応を示していると考えられます。
細部にこだわって犬の体全体が発している空気を見落とさないよう注意が必要です。
まとめ

犬を触るという日常的で幸せな行為も、触られる犬自身の同意があるかどうかを確認しましょうという提案をご紹介しました。
最初は同意しているかどうか分からなくても「犬は嫌がっていないだろうか?楽しんでいるだろうか?」という視点で考えることを習慣にすると、犬との関係は必ず良いものになります。
子ども達にも常に「犬はいま触ってほしいと思っているかな?」と問いかけて教育することは咬傷事故の防止にもつながり、良好な人間関係を作り上げていくことにも役立ちます。
犬を触ることは血圧を下げたり精神を安定させるというメリットがよく取り上げられますが、そのような恩恵を与えてくれる存在だからこそ、犬の同意を尊重したいですね。