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犬の非常食について|地震や台風に備えて災害から愛犬を守ろう
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地震だけでなく日本は自然災害の多い国。ペットとの同行避難が推奨されてはいるものの、まだまだ普及していないのが現実です。パートナー(愛犬)を守れるのは飼い主だけ。今回は、非常時の犬の食事について考えます。
地震、台風、洪水、噴火など、日本は自然災害の多い国です。近年ではペットとの同行避難が推奨されてはいるものの、まだまだ普及していないのが現実です。
自助(自分のことは自分で守る)、共助(民間団体、ボランティアのサポート)、公助(自治体、国、自衛隊、警察、消防などのサポート)とありますが、まずは自分でできる準備をすることが大切です。愛犬を守れるのは飼い主しかいません。そのためにはまず食べ物とお水の準備をしっかりしましょう。今回は、非常時の犬の食事について考えます。
災害時に犬は支援を受けられる?

災害時には、まず人命が優先されます。物資の輸送も、ヒトのためのものが優先です。ヒト用の物資(食事、水、日用品、薬品など)は、公的なサポートを受けることもできますが、動物に関する公的サポートは、とくに災害直後は期待できません。民間の動物福祉団体や獣医師会などからのサポートがあったとしても、数日後からです。愛犬と一緒に被災した時には、災害直後からの犬用の食事は必ず必要になると心に留めておきましょう。
何日分の非常食が必要?

愛犬の非常食は何日分あれば足りるのか、これは災害の規模によって大きく異なります。
今までの想定をはるかに超える規模の災害が起きたら、ライフラインの復旧にも時間がかかることが予想されます。
◆ドッグフードの備蓄の目安量
・緊急時持ち出し用に最低3日分
・日常の備蓄としては最低1ヶ月分(理想は3ヶ月)
災害の状況によっては手に入らない期間が長期化する場合や、天災だけでなく、戦争などの影響による輸入の途絶なども視野に入れ、余裕を持てば心配が減ります。
◆愛犬への配慮
・療法食やアレルゲン除去食を食べる愛犬
・苦手なものがあり特定のフードのみを食べる愛犬
このような愛犬のために用意する非常食の内容や量は、フードに特別な制限がなく食べられる犬とは異なります。愛犬が食べられる非常食をできるだけ多く用意しておくことが必要になってきます。ただ、いつもなら何でも食べられる犬も、災害時という異常事態ではさまざまなストレスで食欲が低下することもあるので、どの犬にも普段食べなれているフードの準備は必要になります。
ヒト用、愛犬用、それぞれのための非常食と水を同時に持ち出せる量には限界があります。たとえば大型犬の多頭飼育の家庭では、頭数分のペットフードをひと月分運ぶというのは非常に大変です。いざという時、気持ちに余裕はありませんから、愛犬に合わせて備蓄すべき非常食の量、種類を把握できるように、どのように持ち出すのかについても日ごろから家族でよく相談をしておきましょう。
犬の非常食とは?

非常食とは、災害などの非常時に、少なくともライフラインが復旧するまでの間(最低でも3日以上)持ちこたえられるように用意しておくものです。非常食の量や種類は愛犬によって異なるものの、非常食としての基本的な考え方は同じです。
いつも食べ慣れているフード
非常時は、犬にも強いストレスがかかっています。それだけで下痢をするなど体調を崩すことが考えられます。普段食べ慣れているフードが愛犬にとって負担が少ないでしょう。
消化のよいフード
災害時は、いつもよりおなかを壊しやすい環境下となります。消化のよいフードがおすすめです。いつものドライフードやフリーズドライのフードでも、ふやかして、柔らかくして与えましょう。
犬の非常食になるフードの種類とは

ドライタイプのフード(ドライフード・フリーズドライフード)
ウェットフードに比べて軽くて持ち運びに負担が少なく、開封後も常温保存ができる。
ただし、充分な飲み水がないと水分不足になるため、水分は別でしっかり与える必要がある。
ウェットタイプのフード(レトルト・缶詰など)
嗜好性が高くストレス時でも食べやすい。水分量が多いので飲み水が少ない時にも役立つが、腐敗しやすい点には注意が必要。また、比較的重たいため、家の中での備蓄にはいいが、持ち運びが難しい。
持ち出し用として選ぶポイント
自宅での備蓄は場所の確保は大変かもしれませんが、重さは関係ありませんが、持ち出し用は背負える量までとなるでしょう。出来るだけリュックのような背負えるタイプのものにどれだけ入れられるか、実際に用意して考えます。
ドライフードのように水分が少ない食べ物は、食後に充分な水を飲めないと困ります。缶フードのようなウェットフードは重量があり、食べる量(給与量)も多いため、フリーズドライフードと水、という組み合わせがおすすめです。
とはいえ、愛犬が食べやすいものが優先されるので、その点も考慮しながら調整してください。
そのほか、具体的な商品例を知りたい方は、【犬の防災対策】愛犬のために準備しておきたいペット用防災グッズを紹介の記事をご参考になさってください。
犬に与える水について
避難場所など、犬は強いストレスで飲水量が減りがちです。できれば普段から愛犬がどれくらいの量の水を飲んでいるかを知っておきましょう。
水の種類ですが、ヒト用のミネラルウォーターを代用する場合は、硬水よりも軟水のものを備蓄しましょう。犬が硬水を飲むと結石をつくる可能性もあるため、軟水を選んだ方が良いでしょう。(特にストレス時は結石症のリスクが高まるからです)
重い水を持って移動するのはかなり大変です。自治体指定の避難場所には給水所が常設してあったり、給水車が水を運んできてくれたりしますが最低量は持ち込めるよう準備しておきましょう(自助)水を飲むことで私たちも気持ちを少しでも落ち着けることができますから、もし余分があれば、緊張している方にお声かけして飲ませてあげることも共助のひとつです。
犬の非常持ち出し袋に入れておくとよいもの(食事編)
・犬の食器やお茶碗(アウトドア用の折り畳み式のボウルも便利です)
・紙皿・洗った牛乳パック
・おやつ
・お腹の調子を整えてくれるサプリメントなど
食事と同様、どんな食器でも使えるように日頃から練習しておくと安心です。ただ、被災地の水は貴重品。食器を洗うこともままなりません。使用後の牛乳パックを洗って折りたたんだものをいくつか持っていれば食器が洗えない場合に器代わりに利用できます。食べ終わったら片付けます。愛犬が匂いのついた紙類を食べてしまう危険もあるからです。いつもとは違う雰囲気の中では愛犬が予期せぬ行動を起こすこともあるので油断は禁物です。
非常時を少しでも楽しく乗り切ることをサポートするようなおやつや、お腹の調子を整えてくれるサプリメントなどを用意しておきます。愛犬のストレスケアを行えると自身や家族の心にもきっとプラスになるはずです。
まとめ

犬の食事に対する社会化=人間の食育にあたる「食べることは楽しいことだよ」ということを普段から愛犬に教えてあげることが被災時にも役立ちます。また食事以外の面からは、愛犬の環境変化に耐えられる強い心や臨機応変に対応できる柔軟な心を育み、大変な非常時でも一緒に乗り越えていけるようにしたいものです。
まずは、愛犬家として自分で備えることから始めましょう。