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ドクダミやヨモギって犬も食べていい?愛犬にも使える和ハーブの知識
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フィトセラピーは植物を利用して心身を癒すホリスティックセラピーです。メディカルハーブ、植物療法など呼び名もあり、人も動物も古くから植物を衣食住に利用してきました。今回は愛犬とのお散歩時に見かける素晴らしい薬効を持つ道端の植物たちにクローズアップしたいと思います。
愛犬と一緒に使える道端の和ハーブ(薬草)8種
春爛漫。日差しがポカポカと暖かくなり、植物たちが旺盛に繁殖を始める頃。寒さできゅーっと縮こまっていた心も体も緩み、愛犬と気持ちよいお散歩がしやすくなってきましたね。フィトセラピーは植物を利用して心身を癒すホリスティックセラピー。メディカルハーブ、植物療法など呼び名もありますが、中には「少し敷居が高いかな~。難しそうだな~。」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はパセリのように生でもドライでも刻んで料理にトッピングするのも立派なハーブの利用法です。または摘みたての葉をポットに入れて湯をそそぎ、ティーとして飲むことができるものもあります。まずは、春の散歩で見かけることのできるハーブが意外とあることから知ってください。
ドクダミ(Houttuynia)

どくだみ茶は有名ですね
『毒を溜める』『毒のようなにおい』『毒を出す』などの意味が語源のドクダミは少し踏んだだけでもすぐにわかる独特の臭気を持っています。ドクダミは日本の伝統的な三大和薬として民間療法では最も身近な形で活用されてきました。生薬名の「十薬」は十の薬効を持つことを意味しています。生のドクダミの葉はとても抗菌力が高く、皮膚疾患やおでき、傷の消毒などに利用されます。また、乾燥葉は特有の臭気が消えるので、お茶として飲みやすくなります。ドクダミの葉にはミネラルやフラボノイドなど利尿を助ける成分が多く含まれ、循環器系の調整や腸内の老廃物を排泄してくれるのでデトックスティーとしても有用です。
ヨモギ(Wormwood)

ヨモギ餅なら食べたことがあるのでは
世界中に生息するヨモギは日本では約35種類の品種があるそうです。お茶や和菓子など日本人にはとても身近な食材のイメージがありますが、お灸の原料や『病を艾(止)める』という意味の名を持つ生薬「艾葉」としても知られています。肩こり・神経痛の緩和に気の巡りを良くして体を温める薬草として、外用で虫刺され・皮膚炎など、内からも外からも効果的な万能薬にもなる和ハーブの女王と呼ばれています。
おなかの調子を崩した愛犬へ内服で、冷えや関節痛などの痛みは湿布やハーブボール、バスなどでケアしてあげることができます。ヨモギの香りにはユーカリやティートゥリーなどにも含まれるシネオールが含まれています。呼吸器系の不調時にはお茶の蒸気を吸い込むと少し楽になります。
スギナ(Horsetail)

スギナにはミネラルが豊富
春の訪れを告げる土筆(つくし)が繁殖のために胞子を出した後ににょきにょきと生えてくる栄養茎がスギナです。スギナの独特の形態は何かに似ているように見えませんか?スギナの英名はホーステイル。そう、馬のしっぽです。さらにこの骨のような形態学的特徴から伝統的にねん挫や骨折、関節炎など骨格筋系の疾患に良いと使われてきました。
スギナは生命力が強く、取っても取ってもすぐに生えてくるので、田畑の厄介者扱いをされていますが、海外の自然療法では膀胱炎・腎臓疾患・結石・ガン・リウマチなど幅広く利用されています。中でも特徴成分のケイ素は被毛や血管、皮膚、腱、爪などを構成する結合組織を強化してくれる働きがあります。最近、放射性物質や重金属を吸着して排出するとしてフードややケアグッズに使われるようになったゼオライトの主成分もケイ素です。スギナはとても利尿作用が強いため、腎不全・心臓疾患がある場合は使用を避けてください。
オオバコ(Plantain)

雨に濡れるとネバネバしてくるオオバコ
踏まれても踏まれてもたくましく生きるオオバコは牛車や荷車の通る道の真ん中でよく見かけるということで車前草という別名を持ち、生薬としても利用されています。オオバコには粘液質という成分が多く含まれ、水に濡れた種子はネバネバして動物や車輪にくっついて遠くまで運ばれて繁殖していったそうです。粘膜を守る作用が強く、咳やのどの痛み、便秘など呼吸器系や消化器系の不調緩和に特に優れています。抗菌性や収れん性があるので尿道炎や下痢などの症状にも有効です。虫刺されや湿疹などには外用薬としても利用することができます。
ナズナ(Shepherd's purse)

七草粥でおなじみのナズナ
直径3㎜程の白くて可愛らしい花がさくに三味線のバチに似た実がつく「ペンペン草」という名で良く知られるナズナは春の七草で知られている植物です。英名ではハート形の実が財布のように見えることから羊飼いの財布(シェパーズパース)の名前を持つそうです。全草にはビタミンA、B、C、Kや鉄分、カルシウムなどが含まれていて不足しがちな栄養の補給源にもなります。古くから泌尿器系や子宮の止血剤として、特に生理痛や出血過多など女性のためによく使われたハーブです。
ハコベ(Chickweed)

小鳥たちも好んで食べるハコベ
ハコベも春の七草ではハコベラという名で登場します。早春から夏にかけて直径6~7mmのうさぎの耳のような2裂の花びらが5枚の可愛らしい花をつけ、道端のどこにでも生えている植物ですが、素晴らしい薬効を持ち、生薬名を繁縷(ハンロウ)と言います。別名をヒヨコグサ、英語名はニワトリのご飯を意味するチックウィードという名を持ち、飼い鳥用のサラダなどにも利用されているほど栄養価の高い植物です。古くは歯槽膿漏や虫歯予防、産後の浄血やお乳の出をよくするために使われていた植物です。
ムラサキツメクサ(Red Clover)

赤いクローバーは栄養価が豊富
明治時代初期に牧草として北海道に入り、現在では日本全国に生息しています。シロツメクサよりも花も葉も大きく、赤紫色の球状花は初夏に短期間咲きます。レッドクローバーの花は血液浄化作用が高く、皮膚疾患がある場合の体質改善や抗ガンハーブとして知られています。
ギシギシ(Yellow Dock)

西洋でもよく使われてきたハーブ
野原や田んぼのあぜ道などに生え、成長すると1mほどの高さになって淡緑色の小さな花が集まって長い穂をつけます。若芽は食用として、薬用には根を使い「羊蹄根(ようていこん)」という生薬名を持っています。古くから便秘やニキビなど体内毒素の排泄を助けるハーブとして利用されてきましたが、動物には短期間での利用が推奨されています。
まとめ

道端で見かけられる素晴らしい薬効を持つ植物たちの1部をご紹介しましたが、見覚えのある植物はありましたか?今まで道端の雑草だと思っていた草花が素晴らしい薬草であることを知ると、なんだかワクワクしてきませんか? 季節の移ろいと共に植物たちの表情は変化していきます。1年を通して植物を観察するとより身近に親しみを感じるものです。色や形を見て、葉っぱの感触を触ったり、香りを嗅いだり、、、五感を使って植物を感じてみてください。
今まで以上に愛犬とのお散歩タイムを楽んでいただけましたら嬉しく思います。尚、薬草として犬への利用実績のある植物をご紹介しておりますが、採集・使用に関しては十分にご注意くださいませ。(自己責任でお願いいたします。)