そもそも静電気ってどうして起きるの？

静電気は、物と物がこすれ合うことで発生します。すべての物質は「＋」と「－」の電気を持っていますが、このバランスは常に変化しています。

特に「－」の電気（電子）は移動しやすく、服の脱ぎ着やブラッシングなどで「＋」の電気が体に溜まりやすくなります。
この状態で金属などの「－」電気を持つものに触れると、一気に電流が流れ、「パチッ」となるわけです。

また、空気が乾燥すると、余分な電気が空気中に逃げにくくなり、より帯電しやすくなります。冬場に静電気が起こりやすいのはこのためなんですね。

静電気が犬に与える悪影響

では、この静電気、私たちヒトだけでなくパートナーにとっても問題なのでしょうか？

①びっくり＆ストレス

突然「パチッ」とくる刺激に驚き、ストレスを感じるパートナーもいます。
特に怖がりのパートナーは、飼い主の手に触れるのを警戒することも。

②皮膚トラブルの悪化

静電気が起こると、皮膚表面の水分が奪われて乾燥しやすくなります。
乾燥が進むと、痒みやフケが増え、皮膚トラブルを悪化させる原因に。

③被毛のもつれやすさ

静電気で毛が絡まりやすくなると、ブラッシング時に毛が引っかかり、パートナーにとって痛い思いをすることに。
毛玉ができると通気性が悪くなり、蒸れによる皮膚炎のリスクも高まります。

冬服が大嫌いな愛犬の話

ここからはスタッフYの体験談です。パートナーはイタリアン・グレーハウンドで被毛が短毛でシングルコートなので寒さを防ぐための厚い被毛がありません。体型も個体差はあるものの比較的体脂肪が少ないことも、寒さに対して非常に敏感な犬種といえます。

特に冬にはフリースなどの暖かい化学繊維の生地で作られた洋服を着せることが多いですが、これらの生地は摩擦によって静電気を発生しやすいです。
ある時、その冬服を脱がせるときに激しく「パチッパチッ」と静電気が起きました。
それからというもの、その冬服を持って近づくと「ガルルル・・・」と怒るようになったのです。

どうやら「この服は痛いやつだ！」と学習してしまったようです。ちなみに夏服は静電気が起きないからでしょう、特に冷房が効いていて冷える日は嫌がらずに着てくれました。

今日からできる静電気対策

「冬の静電気をなんとかしたい！」という方に、簡単にできる対策を紹介します。

①放電

パートナーやドアノブを触る前に壁（金属ではない素材）に触れておくと、体に溜まった電気を放電できます。

②加湿

湿度が高いと空気中に電気が逃げやすくなります。
・加湿器を使う
・濡れタオルを室内に干す
・霧吹きで空気中に水分をプラス
といった方法で、部屋の湿度を調整しましょう。

また、犬のブラッシング前にグルーミングスプレーを使うと、被毛の保湿＆静電気防止になります。

③服の素材を見直す

静電気が発生しやすい素材と、発生しにくい素材があります。

静電気が起きやすい素材

ナイロン、ポリエステル（フリースなど）、ウール

静電気が起きにくい素材

綿、麻、絹

特にパートナーの皮膚が乾燥気味で痒みがある場合は、快適に過ごせるよう身の回りの素材に気をつけてあげましょう。

まとめ

大好きな愛犬を撫でようとしたら「パチッ」と静電気...それが続くと、スキンシップを嫌がられてしまうかもしれません。
簡単にできる静電気対策を取り入れて、冬でも快適に過ごせる環境を作ってあげてくださいね。