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犬に友達は必要?愛犬が友達を作るときに飼い主ができること
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犬に友達は必要なのでしょうか。愛犬の友達作りは愛犬の気持ちになって感がることが大切です。この記事では、友達作りの際の注意点なども紹介します。愛犬が他の犬と無理なく過ごせることを願っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
愛犬の気持ちになって

無理に近づけないで
愛犬と散歩に出るようになると、当然のことながら他の多くの犬たちと出会います。そんな時、「愛犬に犬友達を作ってあげよう!」とか、「どんな犬とも仲良くなれるようになってほしい!」と思う飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。そこで散歩の途中でよその犬と出会うと、「お友達が来たわよ。」とリードを引っ張ってよその犬の方に近づける飼い主さんがいます。しかし、犬にとってこの状況はどうでしょうか。
知らない犬の方に無理矢理引っ張っていかれても、相手がどんな犬かわからなければ不安でストレスになってしまいます。特に相手の犬がこちらに突進してくる場合、たとえ悪意がなかったとしても、受ける側はどんな気持ちになるでしょうか。人間だって知らない人が突然自分のスペースの中に入ってきたら不安になりますよね。知っている人であればエレベーターの中で50センチ以内にいても不安はありませんが、知らない相手とエレベーターに乗り合わせて、その人が50センチ以内に入ってきたら怖くありませんか。
犬同士の挨拶が悪いのではなく、犬が自分から挨拶したいかどうかを見極めてあげる必要があります。そんな時はリードを少し長めに緩めて、怖かったらいつでも逃げられるような距離を保ってあげることが大切です。そして怖がっている愛犬を責めないことも大事なポイントです。
「この子はビビりなだけだから、ほらほら大丈夫よ。」と無理に相手の犬に近づけようとすれば、ますます他の犬への恐怖心がつのり、飼い主さんへの信頼度も低下してしまいます。さらにストレスがマックスになった場合は『窮鼠猫を噛む』状態になってしまうかもしれません。子犬時代に十分社会化を積んできた犬であっても、どの子もフレンドリーに出会った犬と挨拶出来るわけではないので、愛犬の様子をよく観察します。
もし口元がピクピクしていたり、小さくても唸っている場合は愛犬の出している不快サインですから、相手の犬から一度少し離れることをおすすめします。実は犬同士でもこのサインが読み取れなかったり、全然気にしないタイプの子がいます。そういう場合も犬任せにしないで、自分の犬を呼び戻して相手の犬との距離を取ってあげると犬も安心します。反対に、他の犬の方に行きたくて仕方のない犬に関しては、相手の犬の気持ちになって、まず相手の飼い主さんに確認してから傍に行くようにします。もちろんその際、自分の犬の動きを犬任せにするのではなく、その場合は飼い主が制御できるように普段からトレーニングをしておくことも大切です。
ドッグランは犬の社交場?

ドッグランの中が安全とは限りません
散歩の途中の道端ではなかなか犬友達が作りづらいと思ったとき、すぐ思い浮かぶのは手軽に行かれるドッグランではないでしょうか。
「ドッグランに行けばリードを離してあげられる。」
「ドッグランなら自由に犬友達と遊ばせられる。」
確かにドッグランはリードが離せるので、もし嫌いな犬がいたとしても、愛犬は逃げることができます。しかし、相手の犬もリードから放れているので、逃げてもちょっかいを出して来たり、追いかけてくるかもしれません。もし相性が良ければ、二頭で楽しそうに走ったりして遊んでくれるかもしれませんが、いつもそんな都合のいい相手に巡り合えるとは限りません。
犬も人間同様相性があって、遊び方もそれぞれです。追いかけっこが好きな子、プロレスごっこが好きな子など様々です。小さい頃から一緒に遊んでいる犬であれば、オス同士であっても、大人になって喧嘩になる確率は少ないですが、成犬になってから出会う場合、去勢していないオス同士は、双方の体格だったり、性格によって、無視できる場合と喧嘩になってしまう場合があります。
特に食べ物やおもちゃ、メス犬が周りにいたりすると争いの確率は高くなります。そういう知識を持たずにドッグランに愛犬を連れて入ってすぐリードを外してしまうと、獲物のように狩られてしまったり、威嚇されたりすることもあるので気を付けなければいけません。ドッグランの中にどんな犬がいるのか、外から愛犬と一緒に様子を観るというひと手間をかけてあげることも必要かもしれません。いつも通っているドッグランであっても、知らない犬が先に入っていたり、やけに元気に走り回っている軍団がいたりすると、愛犬も圧倒されてしまうかもしれません。
海外の犬事情を聞くと、森のような自然の中にあるドッグラン(ドッグパーク)が多く、必然的に他の犬と対面する機会が少ないこともあり、ドッグランの目的自体が犬と遊ばせると言うより、リードを離して愛犬と一緒に自然を散策するといったイメージが強いように思いますが、日本の、特に都会のドッグランは狭い所も多く、トラブルも少なくないようです。
犬友達は必要?

落ち着いて相手を認識することができますか?
ではどうやって犬友達を作ってあげればいいのでしょうか。そもそも犬友達は必要なのでしょうか。
好奇心を持っていろいろなものを受け入れやすい子犬の時期に様々な経験をさせることで、その後出会う様々な物への恐怖心やストレスを減らしていくことができます。この時期に他の犬と出会うことも、犬に馴らすことが目的で、犬の友達を作ることが目的ではありません。
犬同士も相性があると書きましたが、単に相性の問題云々ではなく、他の犬の存在がきちんと認識できることが一番大事だと私は思います。我が家の歴代の犬たちの中には、他の犬に全く関心を示さないタイプもいましたし、中には臆病で、いつも他の犬を避けて歩いている子もいました。
フレンドリーと言えば聞こえがいいのですが、遭う犬ごとに挨拶をしなくてはならないとなると、こちらも、相手の飼い主さんもとても大変です。
出会っても、さりげなく相手を認識し、そして何事も無かったかのようにまた散歩が続けられるというのが飼い主にとっても、また犬にとってもストレスが少ないのではないでしょうか。愛想が良すぎて、どんな犬にも対しても遊びを催促したり、反対に、どんな犬に対しても警戒吠えが出てしまうと、落ち着いて散歩も出来ませんね。
愛犬が快適に過ごせる「適切な距離感」とは
ここまで見てきたように、必ずしも全ての犬に「犬友達」が必要なわけではありません。むしろ、無理に友達を作らせようとすることが、かえって愛犬にストレスを与えてしまう可能性もあります。
大切なのは、愛犬が他の犬と接する際に、「安心できる距離感」を見つけることです。これは犬によって様々で、他の犬と積極的に交流したい子もいれば、遠くから眺めているだけで満足な子もいます。
飼い主としては、愛犬がどんな時に快適さを感じ、どんな時にストレスを感じているのかを注意深く観察することが重要です。
・興味を示している場合
しっぽを振る、耳がリラックスしている、相手の犬の匂いを嗅ごうとするなどのサインが見られる場合は、ゆっくりと近づいてみても良いでしょう。ただし、相手の犬や飼い主の様子も必ず確認しましょう。
・不安や警戒のサインがある場合
口元がピクピクする、小さく唸る、しっぽが下がっている、耳が伏せている、体を固くしているなどのサインが見られる場合は、無理に近づけず、すぐにその場を離れてあげましょう。
愛犬が他の犬に慣れるためには、無理のない範囲で少しずつ経験を積ませることが有効です。例えば、遠くから他の犬を見せることから始め、少しずつ距離を縮めていくなど、スモールステップで進めましょう。
愛犬のストレスを減らすために飼い主ができること
愛犬が他の犬との関わりでストレスを感じないようにするために、飼い主ができることはいくつかあります。
・愛犬のボディランゲージを理解する
愛犬が発する小さなサインを見逃さないことが、ストレス軽減の第一歩です。喜び、不安、警戒、恐怖など、様々な感情がボディランゲージに表れます。
・無理強いをしない
愛犬が嫌がっているサインを見せたら、決して無理に他の犬に近づけたり、交流させようとしたりしないことです。これは愛犬との信頼関係を築く上で非常に重要です。
・安全な環境を確保する
ドッグランを利用する際は、事前に中にいる犬の様子を確認したり、愛犬の性格に合った時間帯を選んだりするなど、細心の注意を払いましょう。
・ポジティブな経験を積ませる
他の犬と会うことに対して良い印象を持たせるために、例えば、落ち着いた犬との短時間の接触や、一緒に散歩をする機会を設けるなど、愛犬にとって楽しい経験を増やしてあげましょう。
・適切なトレーニングを行う
呼び戻しやリードウォークなど、飼い主が愛犬を適切にコントロールできるトレーニングは、予期せぬトラブルを避けるためにも非常に重要です。
まとめ
愛犬が犬友達と楽しそうに駆け回っている姿を見るのは微笑ましいものですが、当然のことながら、犬たちの遊び方はそれぞれ、期待通りに行かないこともあります。でも、それはその子の個性と思ってあげましょう。特に、都会の犬たちは狭い場所で犬とすれ違う確率がとても高いので、出来ることなら、どの犬にもフレンドリーなタイプより平常心でいられる方が、社会性が高いとも言えるかもしれません。
愛犬が他の犬とどのような関係を築くかは、その子の性格や経験によって大きく異なります。大切なのは、「犬友達を作る」という固定観念にとらわれず、愛犬が心身ともに健康で、安心して毎日を過ごせることです。そのためには、飼い主が愛犬の気持ちに寄り添い、適切なサポートをしてあげることが何よりも重要です。
この記事が、愛犬とのより豊かな関係を築く一助となれば幸いです。







