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犬のしつけ 犬の心に伝わる教え方・伝え犬の心に伝わる教え方・伝え方とは?コツもご紹介!
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犬に正しい行動やきもちを伝えるときの教え方・伝え方をご紹介します。
ポイントは「何をするか」よりも「伝え方の工夫」です。犬に思いがきちんと伝わり、心に届く伝え方・接し方のポイントをぜひ参考にしてください。
穏やかな気持ちで伝える

伝える必要があるときは毅然とした態度で
犬の行動を直したいとき、怒ったり感情をぶつけたりすると、犬には本当の意図が伝わりません。大声や怒鳴り声は、一時的に効くかもしれませんが、犬は「怒られた理由」までは理解できず、やがて言うことを聞かなくなります。
「お座り!」と強く言うたびにイヤな気持ちが結び付けば、犬はその言葉を避けたくなるかもしれません。大切なのは、落ち着いた態度で、信頼関係を壊さないように接すること。叩く、引っ張る、マズルをつかむなどの罰的な伝え方は避けましょう。問題行動の悪化や学習意欲を下げることにつながります。
声と表情で犬の意識に届かせる
穏やかさは大前提ですが、普段と変わらない様子や自信なさげの声、感情のこもらない声では、犬の注意を引くのは難しいものです。声や顔に表情を持たせて「いつもと違う」と思わせることが大切です。たとえば、あなたの目の前で「おやつが欲しい」などの要求吠えをしているのをやめさせたい時、犬の目をしっかりと見て、目に力を込めて首をゆっくり左右に振り、低く静かな声で「シーッ」と伝える。その緊迫感や雰囲気が、犬に「今は違う」と伝える助けになります。心はリラックスしていながら、声や表情では真剣味を表現するのがコツです。伝えたいのは、"言葉"よりも"気持ち"です。
また、気持ちを集中させて1回で決める覚悟も必要です。言葉を伴わせる場合は、短い言葉のほうが犬には伝わりやすいものです。たとえば、「おわり」「あとで」「待て(止まれ)」「シーッ(静かに)」など、3語以内を意識しましょう。
犬の意識を切り替える合図を使う
ほかの犬や鳥などに興奮して吠えてかかろうとしている犬に何を言っても、耳に入りません。そんな時は、「伝える前に意識を切り替える」工夫が必要です。
たとえば:
・リードをの金具をカチンと鳴らす
・指を鳴らす(パチッ)
・舌で音を立てる(タンッ)
・見せずにおもちゃの音だけを使う(短く鳴らす)
これらの「合図」で犬の意識をこちらに向けさせ、落ち着いたら指示や褒めを行います。
私たちも、何かに集中しているとき、肩をたたかれると我に返ることがありますよね。犬にも同じように「ハッ」と気づかせることができます。
意識が向いてから、注意、褒める、その場を離れるなどすると、より指示が伝わるようになるでしょう。
行動の見本を見せる
犬は、私たちが当たり前と思っている行動も、教えてもらわないとわかりません。特に生後半年頃からは、「どうすれば正解か」を知りたい(学びたい)時期。その気持ちに応えるには、順序だてて丁寧に"見せる"ことが効果的です。静かに心を込めて、順序だてて動きを教えてあげると、犬はそれを理解し適切な行動を覚えようとするのです。具体的に繰り返し伝えてあげるようにしてみましょう。
ワン!ポイントレッスン:行動モデルの示し方
例:テーブルに手をかけてしまう犬に教える場合
・ステップ1:行動を細かく分ける
→ 前肢をテーブルから外す → 肢が床につく → 静止する →座る
・ステップ2:ひとつずつゆっくり教える
→ 前肢を静かに押してはらう →落ち着いたら「おすわり」と指示
テーブルに前肢をかけた状態で「お座り」と言っても、その体勢からは座りにくいのでなかなか座りません。あるいは手をかけたときに「ダメ」とだけ言っても、テーブルに近づいたことがダメなのか、食べ物の匂いを嗅いだり見たりするのがダメなのか、境界が犬には分りません。前肢を払らわれてからどう動くのかは動作と言葉をセットすることで、「テーブル=座る」が結びつきやすくなります。
自発的に「行動を選ばせる」

自発的に良い行動がとれますか?
最近では、犬のしつけにも、「認知の学習理論」が取り入れられています。その中でも大切なのが「自発的な行動」です。犬が"自分で選んだ"と思えるように導くことです。
たとえば、ゲージに入るとき、体を押して無理やりではなく、入り口まで誘導し、最後の一歩は犬に任せる。そして入った瞬間を見逃さずに誉める。撫でたりおやつをあげると、犬は自発的に行動した結果よいことがあったと記憶し、その後は自らゲージに入るようになるでしょう。
「自分で入った」→「褒められた」→「またやろう」と学習されます。
この「自発的な行動を促す」伝え方は、学習の定着を高めるだけでなく、犬のモチベーションにもつながります。
伝え方は繰り返してこそ定着する
「昨日はできたのに今日はできない」
そんな時は、犬があなたを"試している"かもしれません。子犬は母犬に注意されたときの行動をわざと繰り返してもう一度注意されるか様子を見るように、私たちも「試される存在」になることがあります。でもこれは、学習が進んでいる証拠でもあります。
犬の学習は(実は人も)、
【経験】 → 【理解】 → 【判断】 という少なくとも3つの働きが段階を踏んで進んでいくと考えられています。
だからこそ、犬が納得して学ぶためには、「正しい行動で終わらせる」ことが大切です。中途半端で終わると、犬は学習を完了できません。
ワン!ポイントアドバイス:学習の3段階とは?
【経験】見る・近づく・嗅ぐ・触れる・体を使うなど、感覚器官や運動器官を用いてなされる経験。「なぜ?」「なに?」という問いかけになる。
【理解】経験から得た問いかけを比較分析などし、「なるほど!」と理解にいたる。
【判断】理解したことを「それは正しいのか?」と繰り返し確認することで「やっぱり!」と学ぶ。
学習が定着する手前で終わらないよう、繰り返しフィードバックして正しい行動で終わらせることが行動を学ぶためには不可欠なのです。
まとめ

犬は私たちの気持ちに真っ直ぐ向き合います
愛犬に正しい行動や習慣を教えることは、その犬が本来持つ性質や性格を変えてしまうことになるのでは、と危惧している飼い主さんもいるかもしれません。でも、「ダメ」を押しつけることではなく、「こうするといいよ」と方向性を示すことに。そのためには、犬の様子をよく観察し、冷静で、感情に流されない"伝え方"が大切です。
・怒鳴らずに、穏やかに
・短く明確に伝える
・意識を向けさせてから指示を出す
・行動を見せて学ばせる
・自発的な行動を引き出す
・繰り返し、正しい終わり方で学ばせる
もし今、愛犬の困った行動に悩んでいるなら、深刻になる前に専門家のサポートを受けるのもひとつの手段です。そして何より、「伝え方」を見直すことで、愛犬との関係はもっと深く、信頼に満ちたものになっていきます。







