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子犬のしつけはいつから始める?基本のしつけ方と成功の秘訣
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パートナー(愛犬)のしつけの開始時期や基本のしつけ方と成功の秘訣についてお話します。しつけは愛犬との今後の生活で重要なものです。本記事で愛犬のしつけに関する知識をぜひ知っておいてください。
ヒトと犬は、異なる生物種です。習性、考え方、行動、欲求など、ヒトとの共通点もありますが、多くの違いがあります。異なる種だからこそ、同じ家、空間、時間、社会を共有するためには、人間社会のルールやマナーを犬に教えてあげる必要があります。この「しつけ」こそが、異文化コミュニケーションを円滑にするための大切なツールです。
子犬のしつけはいつから始める?
生後2~3か月からのスタートが理想
私たちと同様、犬も自らの経験から多くのことを学びます。そのため、子犬を迎えたその日からしつけは必要です。これはとても大切なこと。ぜひ覚えておきましょう。
一般的には、生後2~3か月頃の子犬を迎えることが多いようです。「そんなに小さなうちからしつけをするなんて可哀想」と思う人もいるかもしれません。しかし、しつけとは、難しいことや厳しいことを教えるわけではありません。
しつけとは、「わが家のルールは〇〇ですよ。このルールに従った生活をしていこうね」という、おうちの方針を飼い主が子犬に一貫性を持って教えることです。「わが家のルール」「愛犬の教育方針」は子犬を迎える前に家族会議で決めておくとスムーズです。
どんなルールが必要?「わが家のルール」の例
1. 入って良い部屋はリビングまで。キッチンや和室には入ってはいけません。
2. トイレはここでしましょうね。
3. 階段を勝手に降りてはいけません。
4. あなたの安全地帯であるベッドやケージの場所はここですよ、など。
ココに注目 これでは愛犬が困惑します!
1. 子犬の時はキッチンに入ることが許されていたのに、後から進入禁止になった。
2. 家じゅうどの部屋も自由に出入りできたのに、大きくなってベッドに飛び乗れるようになったら、寝室が進入禁止になった。
3. 最初はテーブルの上の食べ物を勝手に食べても笑顔で許されていたのに、今は「行儀が悪い!」と怒られる。
迎えたばかりの子犬は小さくて、とにかく可愛いものです。最初のうちはルールを設けずに自由にさせていたのに、後になってからだんだん自由を狭めていくことは、よくあることです。しかし、それでは犬も混乱してしまいます。
今まで許されていたことを取り消したうえで、改めて正解を学ばせるのは、まっさらの状態のときに教えるよりも大変になります。家族のルールは、初日から統一されているほうが望ましいでしょう。
子犬のしつけ、成功のための3つのポイント
子犬のしつけを効果的に進めるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
2-1.失敗させない環境づくり
しつけの理想は、「失敗ゼロ」を目指すことです。「犬にしてほしくない行動」は、できるだけ経験させないようにするのがコツです。そのため、教えるときに子犬から目を離さないでいられる物理的な条件を整えておくことが不可欠です。
具体的には、子犬を迎える際は、1週間ほどお休みが取れるタイミングが良いでしょう。この期間に子犬と密に接し、適切な行動を促すことで、無駄吠えや噛み癖などの問題行動を未然に防ぐことができます。
2-2.褒めて伸ばすポジティブトレーニング
しつけは、犬にとって楽しい体験であるべきです。良い行動をしたときに、大げさなくらいに褒めてあげましょう。
おやつや遊びを併用するのも効果的です。犬は「この行動をすると良いことがある!」と学習し、自ら積極的に正しい行動を取るようになります。
叱ることは、犬に恐怖心を与え、信頼関係を損なう可能性があります。問題行動が見られた場合は、単に「ダメ!」と叱るのではなく、なぜその行動が良くないのかを理解させ、正しい行動へと導くことが大切です。
2-3.一貫性と忍耐力
しつけは、一度教えて終わりではありません。家族全員で決めたルールを、一貫性を持って継続的に教えることが重要です。家族間で指示が異なったり、日によってルールが変わったりすると、犬は混乱してしまいます。
また、子犬がすぐに完璧に覚えることはありません。根気強く、愛情を持って繰り返し教えていきましょう。最初はできなくても、小さな進歩を認め、褒めてあげることで、犬は着実に成長していきます。
子犬に教えたい基本的なしつけ8選と教える順序
しつけとは、異文化コミュニケーションを成立させるためのツールであり、飼い主と犬が意思疎通を図るための共通語です。意思疎通ができる共通語があることで、結果的に愛犬を守り、そしてヒト(家族も、社会全体のヒトも)を守ることになります。
犬が社会に迷惑をかけるようでは本末転倒です。しつけは、犬とヒトが幸せに暮らすために欠かせないものです。
では、お互いが幸せに、心地よく、安全に暮らせる最低限必要な共通語として、愛犬に理解してほしいことは何でしょうか。子犬にぜひ教えておきたいしつけ8つを紹介します。
3-1.しつけの導入:まずは信頼関係を築くことから
基本的なしつけに入る前に、子犬との信頼関係を築くことが最も重要です。子犬が飼い主を信頼し、安全だと感じられる環境を作りましょう。
名前を呼ぶと振り向く練習
子犬の名前を優しく呼びかけ、振り向いたら褒めてあげましょう。これを繰り返すことで、名前を呼ばれることが良いことだと認識し、今後のしつけの基礎となります。
アイコンタクト
必要に応じて飼い主に注目させること。アイコンタクトは、犬に「今から大事なことを言いますよ」「ちゃんとこっちを見てね」というときに行います。アイコンタクトとはいうものの、きっちり互いの目を合わせなくてもかまいません。呼びかけた飼い主の顔を見てもらう程度でじゅうぶんです。大切なのは、求めに応じて都度飼い主に注意を向けることを教えることなのです。さまざまなしつけを教える最初の一歩ともいえます。
3-2.日常生活で必要な基本的なしつけ
信頼関係が築けたら、日常生活で最も重要となるしつけに進みましょう。
トイレのルール
これは多くの飼い主にとって一番の議題でしょう。どこで排泄をしてもらいたいのか、を教えます。とくに子犬のうちは膀胱が小さいので、室内飼いの場合はリビングなどに犬用のトイレ・スペースを用意し、そこでしてもらうように根気よく教えていくことになります。最も大事なことは飼い主の教え方、トイレに連れて行くタイミングです。
ハウス
愛犬に「安全地帯」であるハウスを教えること。ケージやサークルに数時間も入れっぱなしにする生活は、アニマル・ウェルフェアの観点で問題がありますが、安全地帯を用意してあげること自体は、犬の精神安定に役立ちます。また、災害時、一緒に同行避難する際にも必要なしつけです。
3-3.安全と社会性のためのしつけ
コイ、オイデ
いわゆる「呼び戻し」です。「コイ」「オイデ」または愛犬の名前を呼ばれたら、必ず飼い主の近くに戻ってくる、というルール。この呼び戻しはいざというときに愛犬を守る最も大事なしつけのひとつといえます。呼ばれたら、きちんと飼い主のところに戻ってくる犬に育てましょう。
ハナセ、チョウダイ
飼い主とオモチャを使って引っ張りっこゲームなどをするときに、「オモチャをだして、飼い主にチョウダイ」ということを教えます。独占欲を強めない、また何か異物を食べそうになったときに出してもらう、など、愛犬の命を守るためにも大事なしつけのひとつです。
3-4.健康管理と心の成長のためのしつけ
最後に、愛犬の健康を維持し、精神的な成長を促すためのしつけです。
ブラッシング、歯磨き
愛犬の健康ケアをするうえで大事なしつけ。おとなになって毛玉ができてから急にブラッシングしようとしても、犬にとっては、何をされるかわからなくて怖いもの。初回がそんなイヤな経験だと、グルーミングが大嫌いな犬になることも。月齢が低く警戒心の薄いうちからブラシやコーム、歯ブラシなどの道具に不信感を持たない練習をまず始めましょう。
セルフコントロール
食事前やお散歩前などでテンションや興奮度が高くなっているときに、犬が自分自身で冷静になれるよう、自制心を養うことです。飼い主の指示や合図によって落ち着くのではなく、犬が自ら考えて、自分で抑制することを学習します。教える際には、飼い主にも忍耐力が必要。これもまたアイコンタクトと同様に、ほかのしつけやトレーニングの基礎となる大事なものです。
しつけで困ったときは? 専門家を頼る大切さ
しつけは、人間社会の中でヒトの都合で決めたルールを犬に押しつけるという側面があり、そのため犬に譲歩してもらう場面も出てきます。できるだけ犬への負担を少なくして教えることが大切です。
しかし、時にはしつけがうまくいかない、問題行動が悪化してしまう、といった壁にぶつかることもあるでしょう。そんな時は、一人で抱え込まず、プロ(行動学の専門家)の力を借りることを一番におすすめします。
4-1.ドッグトレーナーやパピー教室の活用
犬を飼うのが初めてで、犬と共通語で意思疎通する方法を教える自信がない場合には、子犬が来る前から、近所で評判のトレーナーやパピー教室などを探しておく努力をしましょう。子犬を迎える前のセミナーも開催されています。知識を得て迎えることは飼い主の義務でもあります。また迎えたばかりの飼い主でも学ぶことはたくさんあります。
プロのドッグトレーナーは、犬の行動学に基づいた適切な指導方法で、飼い主さんと愛犬の関係性をより良くするサポートをしてくれます。また、パピー教室では、他の子犬や人と触れ合うことで、社会性を身につける良い機会にもなります。
4-2.獣医師との連携
私たちにとって都合の悪い行動が起きてしまう(問題行動)の背景には、病気や体の不調が隠されている場合もあります。しつけだけでは改善が見られない場合は、一度獣医師に相談してみましょう。身体的な原因が特定できれば、適切な治療やケアによって問題が解決することもあります。
まとめ
愛犬とコミュニケーション(いわゆる意思の疎通)がとれないことは、お互いのストレスになります。飼い主にとっても、犬にとっても、共通のコミュニケーションツールがあった方がストレスが少ないのです。犬種やサイズに関係なく、どんな犬にもしつけは必要です。
しつけは、本来は予防や保険のようなもの。何か問題が起きてから行うものではありません。
愛犬と飼い主、そして社会が幸せに共生するために必要なしつけであることを忘れずに、毎日普通にしつけする、つまり毎日普通に愛犬と会話をするように行いましょう。







