授乳期
おやつは与えません。産まれてから生後3週間くらいまでは母乳だけを飲んで成長する時期です。
スタッフコラム70話目
ひと昔前の犬用のおやつといえばクッキーを思い浮かべたものですが、今や私たちが食べたくなるようなおいしいおせんべいや目を見張るようなデコレーションケーキもありますね。 私自身も愛犬のために手作りすることが趣味で、ごはん以外にもいろいろ作って楽しんでいます。
犬はおやつが大好きなイメージがありますが、子犬にむやみに与えることは避けたいものです。成長期ですからまずはしっかり必要な栄養素と摂ること、成犬よりもまだ内臓が弱いという点からも注意したいことがあります。
今回は子犬にはいつからおやつを与えていいのか、与える際の注意点やおすすめのおやつまでペットフーディストの山本が解説いたします。
子犬におやつを与えることはできますが、与えられる月齢、また月齢によって適切なおやつの種類があるほか与える目的も意識しておいた方が良いでしょう。
子犬が成長するための栄養については、主食のドッグフードをしっかり食べていれば、ほかのもので補給する必要はありません。
でも多くの犬にとって食べることは最大の楽しみといえます。しかも主食とは違うものだと特別感があるもの。おやつを上手に使えばコミュニケーションをとることや覚えてほしいことを教えるのに有効なアイテムとなります。
おやつは与えません。産まれてから生後3週間くらいまでは母乳だけを飲んで成長する時期です。
おやつは与えません。生後3週間以降から乳歯が生えてきます。一般的にはこの時期から少しずつ離乳に向けてフード(ふやかしてやわらかくしたもの)を食べさせる時期です。およそ生後2カ月ごろには離乳してフードのみを食べられるようになっています。
まだまだやっとフードを食べられるようになった段階ですから生後3カ月くらいまではおやつは不要。しっかりフードを食べるようにしていきます。
おやつを与えはじめてもいい時期です。ただし、まだ内臓が未成熟であることを意識しましょう。うまく消化できないケースや硬いものを飲み込めば内臓を傷つけてしまうこともあります。
個体によって食べ方は異なりますがカチカチに硬い乾燥肉などは大きいまま飲み込んでしまうと喉に詰まらせる危険があるうえ、内臓にも負担がかかるため避けるべきです。不安であればまずは口の中で砕けやすいボーロやクッキーなどが良いでしょう。
この時期は歯の抜け代わりが始まり、いろんなものを噛みたがります。噛んでいいもの、悪いものを教える必要がありますので、デンタルケアを目的とした商品の中には子犬用に適度な噛み応えを意識して作られているものがありますので利用すると良いでしょう。
おやつを与えていい時期です。個体差はありますが、ほぼ成犬と同じようなおやつを与えることができます。ただし、超小型犬や噛む力が弱い子犬や消化能力に不安がある場合はやはり硬めのおやつは避けましょう。特にヒヅメのような特別硬いものは健康な成犬であっても避けるべきです。
与える量を管理する:一日分の主食の中からおやつとして与える分を取り分けておく
子犬は体験によりいろんなことを学習します。子犬の成長とともにどういう場面や状況が苦手なのかも少しずつわかってくることでしょう。少しずつ苦手を克服できるよう慣らしていけるといいですね。 そのような環境に慣らす訓練を馴化(じゅんか)と呼びます。馴化の際にもおやつを上手に使うと効果的です。
おやつは魅力的な食べ物。欲しがるたびに与えていると要求が強くなってしまったり、太ったり、主食を食べなくなるなどの困った状況を招きかねません。きちんと一日与える量を管理することが基本です。
もちろん、さまざまな状況を鑑みて初めからおやつを与えないと決める方もいらっしゃいます。栄養バランスが崩れることや主食を食べてくれなくなる、といった心配が多いですね。
その場合はご褒美としてドライフードを利用するといいでしょう。なんでも食べてくれる愛犬ならいつものフードでも充分にご褒美になります。さらに効果的なご褒美にしたい場合は主食とは違う風味のフードを選ぶと良いでしょう。
本記事内の「おやつ代わりにおすすめのフード(総合栄養食)」も参考にしてください。
愛犬のおやつは主食のカロリーの1割以内にするのが基本です。とはいえ、おやつのカロリーまで把握するのはかなり面倒なことですね。
見た目の量をドライフードの1割ほど(一日に与える量の)にしておくというのもひとつの方法です。
※基本はおやつを与える分、主食を減らす必要があるので、健康的な成長のためにもおやつを与えすぎないようにしましょう。
おやつを与えることで主食を食べない場合や、体重管理が難しい(痩せる、太る)場合は、おやつはしばらく与えずに調整していきます。子犬とって飼い主とのコミュニケーションは何よりもご褒美になりますので、おやつを与えないことをかわいそうだと思う必要はありません。
子犬は乳歯が生えそろったと思ったらすぐ永久歯への生え変わりがやってきます。だから子犬はなんでも噛みたがります。適度な硬さがある(決して硬すぎない)おやつは子犬の噛みたい要求を少しの時間でも満足させてくれるアイテムといえます。
子犬におやつを与える場合、心配に思うのは栄養バランスのこと。不安であれば主食からおやつ分を取り分ける方法が良いですが、特別なご褒美としては主食とは異なる風味の方が満足度を高めてくれます。柔らかいジャーキータイプなので嗜好性は高めです。
※以下にご紹介する商品は、フードとトリーツ(おやつ)はパッケージサイズが違うだけで中身が同じです。開封後は1カ月以内に食べきれるサイズを選んでください。
子犬のおやつ作りを楽しむのもおすすめです。自分で厳選した材料のみなら、まさに無添加おやつというわけですから。
ささみを茹でたり、焼いたりしただけでも立派なおやつですし、ヒト用のレシピをアレンジ(砂糖不使用やバターの代わりに植物性オイルを使うなど)いくらでも愛犬用に工夫することができます。
今回は少量の材料で作れる子犬用おやつをご紹介します。
米粉のカリカリおやつ
材料
・yum yum yum! ジュレ仕立て チキン 1袋
・米粉 50g
・バナナ 3㎝ほど
※上記は作りやすい分量です。適量を与えてください。
作り方
我が家の子犬はもともと脂っこい匂い(犬には魅力なはずですが)が苦手なタイプ。このおやつはカリカリした食感と素朴な味が気に入ったようで、めずらしく「もっと食べたい」と催促してくれたので私としてはうれしいおやつ作りになりました。
子犬がおやつしか食べません。ごはんを食べさせるにはどうしたらいいですか?
ごはんを食べない場合は、おやつを与えるのをやめましょう。おやつのようなフード(やわらかいジャーキー状)もあります。 成長期はできるだけ総合栄養食のフードを主食にしましょう。商品は 本記事内の「おやつ代わりにおすすめのフード(総合栄養食)」を参考になさってください。
歯磨きの代わりに硬いガムを噛ませてもいいですか?
乳歯から永久歯に生え変わる時期(生後3カ月以降)は特に歯茎が痒くて何かを噛みたがりますが、硬いガムやアキレスは歯や歯茎を傷める恐れがあるためおすすめしません。特に硬いもの(ヒヅメなど)は歯を破折することもあります。こちらに関しては子犬に限らず成犬にも注意してください。
適度な硬さでデンタルケアが期待できる子犬用おやつにはこちらがおすすめです。
子犬にはじめて与えるおやつのおすすめは?
まずは消化に負担が少なく、口の中で砕けやすいボーロやクッキー類がおすすめです。本記事内「月齢別おやつ選び」・生後3カ月~生後6カ月までを参考になさってください。
子犬の骨の成長のためにカルシウム豊富な小魚をおやつに与えた方がいいですか?
子犬用フード(総合栄養食)をしっかり食べている場合はカルシウムを足す必要はありません。おやつの楽しみのひとつとして適量を与えるといいでしょう。
今回は子犬用のおやつのついてお伝えしました。昨年我が家に迎えた子犬も、歯の生え変わり時期はなんでも噛みたがるのでたいへん困りました。噛んで良いものと悪いものがあることを覚えてもらうのも時間が必要。 こんなときに心配なく与えられるほどよい硬さのものがあると、私自身が束の間の一息つける時間になりました(笑)
今回ご紹介した手作りおやつも我が家の子犬が喜んで食べたものです。ぜひお時間があるときにアレンジしてみてくださいね。
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ごはんの窓口はこちらから筆者
ペットフーディスト、 アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー、 ペット栄養管理士、 犬の食事療法インストラクター上級師範
山本 由能(やまもと ゆの)
現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOG & CATへ。
自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。
日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。