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犬のダイエット方法~散歩・運動・遊び方
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犬でもヒトでも肥満は万病の元。今回は、パートナー(愛犬)が健康的に痩せるためのエクササイズ(運動)や健康維持のために消費エネルギーを増やすためのアイディアについてお届けします。
ダイエット中の犬の運動管理
運動の目的は、健康の維持・促進です。急激な減量エクササイズは、愛犬の身体の負担になりますので注意が必要です。また食事だけでダイエットを行うと脂肪といっしょに筋肉量も減り、基礎代謝が低くなってしまいます。基礎代謝が低いと脂肪が蓄積されやすい体質になるので、どんどん体重管理が難しくなってしまいます。筋肉量を増やし、脂肪を効率よく燃やすには適度な運動がかかせません。犬もヒトと同じですね。
運動量の増やし方
まずはじめに出来ることとしては、散歩の時間を増やすこと。といっても急に多くの時間を作ろうとすると飼い主の方が挫折しがちです。これまでよりも5分でも長く外で過ごすことを目標に少しずつ習慣づけて距離を伸ばしていきましょう。
太り過ぎていて、歩く時間を増やすと関節に負担がかかる場合は、匂いをたくさんかげるところで自由行動が出来る時間を増やすのもおすすめです。例えば、犬が入ってもOKな公園や河川敷など安全な場所でロングリードを用いるなど愛犬のペースで動けるようにしてあげましょう。
ダイエットのペース
体重を落とすペースは、1週間で、現在の体重の1%〜1.5%を減量するのが目安。10kgの体重の犬なら、1週間で100gの減量が目安となります。4週間で400g程度となると少ない気もします。けれどもたとえば体重10kgの犬が1週間で1kg(総重量の1/10kg)痩せるのは身体に負担がかかりすぎます。割合だけで言えば、体重50kgのヒトが1週間で5kg痩せるようなものです。
スタート時の体重にもよりますが、1週間や1か月間という短期間で減量させるのではなく、3〜4か月ほどかけて、ゆっくりと理想体重に近づけていくのがおすすめです。
犬の最適な運動量とは

犬にとっての最適な運動量は、千差万別。犬種、性別、年齢、性質、体格などにより、個体の気力、体力はまったく異なります。誤解が多いのは、犬の大きさによる運動欲求量。体が大きければ大きいほどたくさんの運動量が必要かというと、決してそうではありません。
たとえば、グレート・ピレニーズのような護羊犬(ヒツジをオオカミから守る仕事)をしていた犬種は、若犬のときはそれなりに動き回りますが、成犬にもなると走り回るような運動はあまりしません。普段はヒツジの群れのそばで寝そべって監視している犬だからです。いざオオカミが襲ってきたら俊敏に動きますが、そうした緊急事態以外は体力を温存しているのです。しかも身体の大きさと比較すると食べるごはんの量はびっくりするほど少ないそうです。
反対に、同じくヒツジ相手の仕事をしているボーダー・コリーのような牧羊犬(ヒツジをまとめる仕事)は、すさまじい体力を持っています。広い草原を俊足で走り回り、何百頭ものヒツジを集合させる仕事をしていたので、スタミナもスピードもある犬です。ボーダー・コリーは中型犬ですが、大型犬のゴールデン・レトリーバーよりも多くの運動を必要とします。全犬種の中でトップクラスといえるでしょう。
このように愛犬にとって適正な運動量や運動内容は、身体の大きさではなく、元来その犬種がしていた仕事が何だったのかによるところが大きいといえます。牧羊犬、猟犬、ソリ犬などは基本的にたくさんの運動を必要とし、その運動を与えないと太ったり、あるいはイタズラや迷惑吠えしたりするなどの問題行動が生じやすくなります。
ダイエットを出来るだけゆっくりあせらず取り組む必要があるタイプには、散歩コースにさまざまな変化を取り入れてみましょう。登坂は後肢の筋肉を使いますし、柔らかい土を踏めると肉球全体を動かしてしっかり踏みしめることが運動機能維持にも役立ちます。
本来は身体を動かすことが得意な小型犬種

・テリア種(ネズミ捕りの犬)
・トイ・プードル、イングリッシュ・コッカー・スパニエル(猟犬を改良して小型化した犬たち)
・ミニチュア・ダックスフント(ドイツではいまも現役の猟犬)
健康にも関わらず、小型犬だからといって運動の少ない生活をさせていると、太りやすくなりますし、ともすると運動不足によるストレスから迷惑吠えなどの問題行動を起こすことにもつながるかもしれません。
大切なのは、犬種特性をよく踏まえた上で、運動プログラム、散歩のメニューを考えること。シニア犬(高齢犬)の愛犬であっても、まだまだ元気溌剌な犬も少なくありませんから、年齢だけで決めつけず、元気があるうちはしっかり運動をさせてあげましょう。
こんな習慣は要注意!
- トイレシートで排泄をさせているから、毎日外に散歩に行かない
- 近所の1ブロックをちょっと周るだけの散歩で、排泄をさせたらすぐに帰宅する
- 冬は寒いから、夏は暑いからという理由*などであまり散歩に行かない
※気候によって散歩の時間を工夫するなど気温を考慮した配慮は必要です
食事相談は専門家に
動物病院でダイエット・プログラムを実施しているところもありますし、GREEN DOG & CATでは無料で食事相談を実施しています。愛犬の肥満を克服するために、獣医師や犬の専門家を頼ってみてはいかがでしょう。ひとりで悩むより、伴走者としてサポートがあると挫折せずにがんばれることが期待できます。
ダイエットに役立つ運動方法とは

痩せさせたいと思ったとき、成犬でもシニア犬でも運動方法は同じです。
エクササイズに有効な運動のひとつは、長時間のんびり歩き続けることです。犬も飼い主も楽しく継続できる運動がいちばん。飼い主さんのライフスタイルに合わせて、無理のないエクササイズや散歩に取り組みましょう。散歩コースは、つねに平地を歩くよりも、ちょっと坂道がある場所を選ぶといいですね。
ただ、重い体で長時間歩きすぎたりジャンプしたりするような運動は、骨関節に負担をかけてしまいます。急に激しい運動をするのではなく、無理のない範囲でジワジワと時間や距離を増やしていきましょう。食事管理(ダイエット)で少しずつ減量させながらさらに運動を増やしていくと効果があります。
また、プールや海、川で泳ぐ水泳や、水を張った水槽の中でおこなうハイドロセラピー(水中療法)も減量エクササイズに向いています。水の中は浮力があるので、関節や靱帯に負担が少ないことや、普段使わない筋肉を使うなどのメリットがあります。ただしきちんと水中療法について学んだ専門知識のある指導員のいるところで行いましょう。海や湖、川で遊ばせるときには、犬用ライフジャケットの着用、ロングリード(いざというときの命綱)などで、目を離さず必ずヒトの監視下で泳がせましょう。事故のないよう万全な配慮をすることが大切です。
痩せるためには瞬発力を使った運動ではなく、持久力をつける運動が重要。持久力がつく筋肉を育てると、脂肪の燃焼にも役立ちます。そのためには長時間歩くことや水泳に効果があるのです。シニア犬で長い時間の散歩ができない犬などは無理に長時間連れまわす必要はありません。ただ短時間の散歩をこまめにするという工夫は必要です。例えば1日3回20分ずつ散歩するという方法がおすすめです。
愛犬と一緒に楽しむ散歩のすすめ
犬は群れの気持ちに同調するのに長けている動物ですから、飼い主の気持ちを察する天才です。飼い主の気持ちを反映して、犬が散歩を楽しめないときがあります。
たとえば、痩せさせるために「散歩に行かねばならない」という飼い主の義務感や、飼い主が仕方なく散歩に連れ出す気持ちがあると、それを感じ取る犬自身も散歩を楽しめません。犬の心は、飼い主の心を鏡のように映します。飼い主自身が楽しい気持ちに包まれて、愛犬と一緒にウキウキと散歩に出かけられるよう、まずは自分の心に耳を傾けてみましょう。自分で散歩に行けない場合は、家族に頼る、お散歩代行サービスを利用するなどもおすすめです。無理をせず、犬もヒトも一緒に楽しめるストレスフリーなダイエットを楽しみましょう。
まとめ

肥満はさまざまな病気を引き起こしますから、体重のコントロールは健康に長生きするためには欠かせません。犬は、自分の意思で食べ物を選んだり、自分で散歩に行ったりすることはできません。飼い主さんが頼りです。
また年をとると、人間と同じくだんだんと筋肉量は落ちていきます。しかし骨関節や靱帯、心肺なども弱ってくるシニア犬になってから筋肉を取り戻そうというのは難しいもの。若いときの筋肉の貯金が、シニア期のQOL(生活の質)をアップするといっても過言ではありません。元気なうちから持久力が上がる筋肉をつけて、ハッピーな老後に向かって備えてほしいと思います。