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老犬との暮らしから学ぶ|犬の皮膚病と冷え対策のヒント
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犬の皮膚病についてスタッフHが老犬との暮らしから学んだ「犬の皮膚トラブル」と「冷え対策」についてご紹介します。犬の皮膚病の種類や原因、検査方法なども説明しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
・パートナー(愛犬)
クリス 保護犬小型犬MIX(推定:チワワ×ミニチュアダックスフンド) 雄
・シニア期の状態
若いときから虚弱で皮膚症状が出ていたので継続してシニア期にも配慮が必要だった。加齢に伴い、シニアの小型犬に多い心雑音は少し見られたものの、他の症状はなく、食欲も旺盛で元気に過ごしていた。
・スタッフHからのひとこと
「充分な世話をしてもらえない生活を送ってきた保護犬なので、どのような基礎疾患を抱えているかわかりませんでした。我が家ではその時々に合わせて出来る範囲でのケアを行っていました。何より温かい家庭生活を送ってほしかったです」
皮膚に出た不調と、気づいたこと

アレルギーによる皮膚症状が出ている犬(クリスではありません)
クリスは保護して間もなく「アトピー性皮膚炎」と診断され、膚も被毛もボロボロになってしまうほど掻きむしってしまうこともありました。
犬の皮膚病には、アトピー以外にも「細菌性皮膚炎(膿皮症)」「マラセチア性皮膚炎」などさまざまな種類があります。体質や環境の影響も大きく、特に虚弱体質や胃腸が弱い場合は栄養をしっかり吸収できず皮膚の健康を害しやすくなる場合があります。また、老犬(シニア犬)は、皮膚のバリア機能が低下しやすいため、通常は問題のない常在菌(皮膚に常在する微生物)が影響を受けて症状が出る場合もあります。常在菌には、皮膚の健康を保つために重要な役割を果たすものが多く、例えば表皮ブドウ球菌やアクネ菌などがあります。
食事と栄養プラス、サプリメントでサポート
皮膚のために心がけていたことのひとつが「低アレルゲン食」と「オメガ3必須脂肪酸の補給」です。クリスの食事はできるだけ低アレルギーなものにしたり、サーモンオイルやクリルオイルなどの魚油、ハーブなど栄養バランスを考えながら皮膚に良い栄養素は色々取り入れました。手作り食には必ず野菜を使って水分を摂ることも意識していました。
また抗酸化栄養素のパウダー(コエンザイムQ10やルテインなど)も活用しました。基本的にごはんに混ぜれば食べていましたが、固まって入っていると味が苦手なのか、残すことも。そんなときはジャーキーや茹でたササミなど、好きな物ではさんで与えて無理なく続けられる工夫をしていました。
皮膚トラブルに気づいたら、検査も大事
皮膚トラブルにはさまざまな原因があるため、自己判断せずに異変を感じた場合は動物病院で診てもらうことがおすすめです。ひどくなればそれだけ回復にも時間がかかりパートナーにとってつらい時間が増えるからです。
必要に応じて「アレルギー検査」「皮膚の検査(被毛や皮膚の一部を調べるもの)」などの検査もあります。
かゆがっている、赤みがある、フケが多いなど、そんな時は「様子も見る」だけでなく、早めに動物病院で相談することが症状を悪化する前の対策になります。原因によって治療法も異なってくるからです。
冷えは皮膚トラブルの見えない原因に?
シニア期になると、これまでよりも体温調節がうまく機能しなくなってくることがあります。冷えは血行不良につながり、血行不良は栄養が届きにくいということから皮膚の回復を妨げる原因にもなります。
寒い時期はもちろん、季節の変わり目のような気温差が激しい時、夏の室温が低い設定になっているときなど、冷えやすいときには注意が必要です。
クリスには、冬の間は洋服や腹巻を活用しました。老犬の場合、特に冷えやすいのは耳先・足先といった体の端にある部位です。耳の先がとても冷えると、軽いものからひどいと皮膚のひび割れるくらいの凍傷になることもあります。特に皮膚が乾燥しがち、短毛種、普段から耳先にも痒みがあり掻き壊しがあるようなパートナーはスヌード(耳まですっぽり被せて保温する首巻のようなもの)を利用するといいでしょう。
犬は足先が冷たいことも多いので冷えかどうかわかりにくいですが、ゆっくりリラックスして横になって寝ているときは足先がぽかぽかしているものです。ときどき触ってみて確認してみましょう。クリスに足先までしっかり温めてあげるケアとして取り入れていたのが「温浴」です。
お風呂でやさしく温めるケア
皮膚が弱いクリスには、シャンプーの頻度は最小限にして、お湯に浸かる温浴だけでも汚れが落ちやすい入浴剤を使っていました。
お気に入りは以下のふたつです。
・ヒト用酵素入浴剤
天然酵素と海の深層水でできた人用の入浴剤です。飼い主も同じ物を使うことで、より効果を実感できました。体の芯まで温めることが出来るという点でも気に入って使いました。
・犬用天然入浴剤(アニマー湯プラス)
皮膚を健やかサポートにうれしい別府温泉成分を配合した犬用天然入浴剤です。洗い流さなくてもいいので、温浴やかけ湯も手軽にできます。
お風呂のように被毛が濡れることや狭い湿度の高い場所に入れられることがストレスになるパートナーはいますが、クリスは若い時から自宅でよく入浴させており、お風呂タイムの最中もおいしいオヤツを度々与えていたので、シニアになっても嫌がることがありませんでした。
まとめ:クリスとの暮らしでわかったこと
皮膚のトラブルは目に見てつらそうに感じますが、日頃のちょっとした積み重ねで和らげてあげられることを実感しました。
・低アレルゲンの食事と、皮膚に良い栄養の補給
・日々の観察と、気になる時は病院での検査
・冷え対策としての洋服・腹巻・温浴
・そして何より、ストレスを減らす温かい暮らし
大きなことはできなくても、パートナーの様子を見ながらできることを少しずつ。そんな姿勢が、老犬との暮らしには大切だと教えてもらいました。私の体験が、みなさんとパートナーの生活に少しでも役立てば幸いです。
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