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【第6回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|免疫力を高める
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犬アトピー性皮膚炎のパートナーに対する家庭でのケアとして、第6回では体の防御機能といわれる免疫力の維持についてお伝えします。免疫力はさまざまな要因で変化するので、サポートする方法も多岐にわたります。
※この記事はホリスティックケア・カウンセラーであり日本アニマルフィトセラピー学術協会の理事長でもある加藤 志乃さんが執筆した記事をGREEN DOG & CAT ライフナビ編集部が編集しお届けしています。
免疫力低下の原因
犬アトピー性皮膚炎の場合、もともと皮膚症状になりやすい素因(体質)を生まれ持っている場合が多く、そこに悪化要因のひとつである免疫力の低下が起きると皮膚のバリア機能が弱まり外からの異物(細菌やアレルゲン)の侵入を防ぐことが容易でなくなってしまいます。犬の場合も人間と同様にストレスによって自律神経のバランスが乱れ免疫力が低下します。
【犬のストレス例】
・気候、室温
・騒音
・排泄したいときにできない
・環境の変化
・かゆみ、痛み
・栄養不足
・薬剤の副反応
・運動不足、運動しすぎ
・刺激不足、過度の興奮
・コミュニケーション不足、コミュニケーション過多
・多頭飼育時の不仲
・不規則な生活習慣
など、ざっと考えてもきりがありません。
免疫力が低下させる原因となるストレスの種類は10頭いれば10通り、100頭いれば100通りあります。健全な生活環境、適度な運動、バランスのとれた食事を整えると共に、今、パートナーの心や身体がどんな状態であるのか、日々じっくり観察して判断できる飼い主力を日頃から鍛えておくことが大切ではないでしょうか。
免疫力維持の鍵は白血球
免疫力は身体を病気から守る力。病原菌やウイルスなど外界からの異物の侵入を防いだり、がん細胞などの有害な細胞を体内パトロールして排除したりする力のことです。第2回の記事でも書きましたが、犬アトピー性皮膚炎の場合、皮膚のバリア機能の低下は体内または皮膚表面の免疫力が低下することによって起こり、外からの異物(細菌やアレルゲン)の侵入を防ぐことができなくなってしまうと考えます。
この外敵から身を守る働きを担っているのが、全身の防御機能といえる血液やリンパ液に存在している免疫細胞『白血球』です。白血球は大きく分けると顆粒球、リンパ球、単球(マクロファージ)の3種類で構成されており、外界からの刺激や情報に反応して、自律神経のバランスによってその割合が変動します。
自律神経のバランスをとるには?

では自律神経のバランスを整えるにはどうしたら良いでしょう?自律神経は外界からの刺激に対し、呼吸や心臓の動き、血流など全身の働きをコントロールしている神経です。色々な方面からアプローチできますが、今回は家庭でも簡単に取り入れられる自律神経のバランスを整えて白血球を活性化する方法をお伝えします。
精神的ストレスへのホリスティックケア
犬にとってのストレスは犬の数だけあります。原因を探して改善できれば良いですが、どうしても改善できないものも多々あるでしょう。特に精神面に強い負荷がかかっている時には植物を使った自然療法『フィトセラピー』が役立ちます。
中でも特に精神面に働きかけることを得意としているのが植物の波動を利用して心身のバランスをとっていくバッチフラワーレメディです 。バッチフラワーレメディは、1936年にイギリスの医師バッチ博士によって完成された、38種類の植物のエネルギーから作られた癒しのエッセンスです。ネガティブな感情を穏やかに鎮めて心の平安を取り戻し、自然治癒力に働きかけます。副作用も害もほぼありませんので、不快な症状に対するイライラや自咬、疲労困憊など、パートナーの状態に合わせて選択してみてください。
体温と免疫力の関係
自律神経のバランスが崩れると、血流が弱くなって低体温をもたらし、新陳代謝と免疫力の低下を招きます。そうするとアトピー症状だけでなく他の病気にもかかりやすくなってしまいます。体温が上がると血流が良くなります。すると白血球が全身をめぐるため免疫力があがります。また、古い細胞の排出がスムーズに行われたり、栄養素が行き渡るため、皮膚の新陳代謝もあがるのです。
【体温を上げる方法】
- 運動 (筋肉量が増える→体温が上昇)
専門家の指導のもとで行うバランスボールの運動水中運動などもおすすめです。エネルギーの発散は精神安定にも役に立ちます。
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マッサージ (第5回の記事を参考になさってください)
- 足浴 (第2回の記事を参考になさってください)
- ハーブボール
数種類のハーブを布に包み温かくした「お灸」のようなものタイでは古くから伝わる治療法のひとつです。このような体を温めるグッズを利用するのも良いでしょう。
- 食材、ハーブ
ショウガ、カボチャ、鶏肉、羊肉、フェンネル、カモミール、ターメリックなど食事にプラスして与えます。(刺激の強いショウガや薬効の強いターメリックのようなものはほんの少量の利用です。小型犬は耳かき1杯を一日量の目安ですがはじめはさらに少量にします。)
白血球の働きをサポートする食材&ハーブ

野菜や植物に含まれる成分(フィトケミカル)の中には白血球の働きをサポートするものがあります。体温を上げる方法と併用して下記のものを食事に追加してあげても良いでしょう。
免疫力維持にはガーリック、キノコ類(霊芝や舞茸)、多糖類豊富な野菜(オクラ、モロヘイヤ)、ハーブ類(エキナシア、シベリア人参)が役立ちます。ガーリックに関しては与えすぎると害を及ぼすことがありますので、ガーリック1~2片をオリーブオイル100ml程度に漬け込んだガーリックオイルを少量ごはんに追加してあげるのがおすすめです。食材としても、サプリメントとしても色々なものがありますので、パートナーの好みに合わせて使いやすいものを取り入れると良いと思います。
その他、ビタミン類も免疫力維持に役立ちます。不足しないようにバランスよく食事が摂れること、または第4回の記事 でご紹介したビタミンC豊富な食品(ローズヒップ、パセリなど)をトッピングで意識するといいでしょう。
体の防御機能のサポートなので腫瘍と戦う場合にも注目されているものばかりですが、獣医師の指導がある場合は必ずそれを優先してください。
まとめ
ご紹介させていただいた方法は愛犬ナイトや多くのクライアントさまなどで役立ったと実感したものばかりですが、全てのケースにOKであるわけではありません。治療中の場合はかかりつけ獣医師の指示を仰ぎながら取り入れていただき、パートナーに異変が生じないか注意深く確認しながら行ってください。
<犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らすシリーズ(全7回)>
・【第1回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|症状と自然治癒力の関係
・【第2回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|不快な症状を和らげるホームケア
・【第3回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|自然治癒力を高める
・【第4回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|栄養素の補給
・【第5回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|体液循環の促進
・【第6回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|免疫力を高める
・【最終回】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす|デトックス