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愛犬のための薬膳入門|野菜の使い方
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薬膳と聞くと、少し難しいイメージがありますが本来はいつも食べている自然食材によって体と心のバランスを整える食事のこと。今回はパートナー(愛犬)に与えやすい野菜を説明します。
薬膳ってなに?

薬膳は、中国で古くから伝わる食事療法です。別の言い方では「食養生=食事でのお手当」になります。簡単なところでは、体が冷えたら温まるものを食べ、暑いときは涼しくなるものを食べる、このように健康をサポートする事を考えた食事が薬膳です。
一般的な栄養学では、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、カロリーに注目してレシピを構成します。
薬膳は現代のような数字や化学記号ではなく、体を温める、冷やすなどの性質である「五性:熱・温・平・涼・寒」を用いたり、味の性質「五味:酸・甘・辛・苦・鹹(かん:塩味)」の働きを意識して考えます。
ざっくりいうと体や心のバランスを取ることが健康の秘訣であるという考えが元になっています。冷えたら温める、乾いたら潤すことを意識するのは自然ですよね。
このように愛犬の薬膳も「バランスを取ること」と考えれば難しくありません。また漢方の素材のような特別なものを使わなくても、すべての食材には薬効(栄養素)があるので、いつもの(自然の)食材で作れます。
愛犬のための薬膳食材(野菜の利用法)

薬膳の食材選びの基本は、"旬のもの"を摂りいれることと言われます。とはいえ近年は技術の発展により旬でなくても立派な野菜が採れます。
そのため、旬にこだわりすぎず新鮮な食材を使うことを意識して選ぶと良いでしょう。
今回は食材の中でも野菜を取り上げた理由は、現代の愛犬は過食を原因とする不調が多いからです。それに肉類はおやつでも取り入れやすいですね。野菜を与えるには工夫が必要ですが、不足しがちな水分の補給や過食を抑えることに役立ちます。
食欲を抑えたいとき
胃酸過多など、通常通りの食事では食欲がおさまらず食べたい気持ちが強い場合、朝に黄色い液体を吐くことがある愛犬など。
キャベツ:五味(甘)
薬膳における性質では、五性(平)の冷やしと温めもしないものなので、季節を問わず使いやすいです。五味(甘)の胃腸を整え、消化を助ける働きがあり、食欲の調整にも役立ちます。
キャベツには胃の熱をとる働きがあり、胃酸の分泌を落ち着けるサポートに役立ちます。食欲旺盛で食べ過ぎ傾向のために胃酸分泌が活発なことで、さらにもっと食べたいという欲求状態が続く犬におすすめです。またやさしい甘味は気持ちをまったりさせ興奮を落ち着ける働きが期待できます。
生キャベツが好きな愛犬は多いです。はじめて与える際は千切りなど細かく切ってフードに混ぜ込んでみましょう。
なかにはキャベツだけではなかなか食べない犬もいます。その場合は、鶏肉と一緒に茹でて茹で汁ごと与えたり、簡単なふりかけを利用してみてもいいでしょう。ただし、一緒に茹でた鶏肉をたくさん与えてしまっては食欲を抑える目的が果たせませんので注意しましょう。
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便秘気味のとき
便が硬くて出にくい状態だけど、あまりフードや肉の量を増やせない場合は、癖が少ない野菜を茹でて汁ごと与えると良いでしょう。どれくらいの繊維質が便秘改善に役立つかは用心深く観察する必要があります。いきなりゴボウのような繊維の硬い野菜を与えるのは控えましょう。さらに便が詰まったままになったり、逆に刺激が強く下痢を引き起こしてしまう場合もあります。
白菜:五性(平)五味(甘)
薬膳としてはキャベツと同じような働きが期待でき、犬が食べやすい野菜でもあります。キャベツよりさらに紹介にやさしいです。軟らかく煮ると甘みも増して食べやすくなります。便秘のときには煮汁ごと与えて水分を補給するとよりスムーズな排便をサポートします。
軟便のとき
繊維質と糖質が適量あることで腸内での移動を穏やかにしてくれます。ただし、お腹の調子が悪いときに愛犬にとってはじめての食材を与えるのは控えたほうが良いです。健康なときに与えてみて、それが体質に合っているかどうかを調べておきましょう。
山芋:五性(温)五味(甘)
五性(温)の体をやさしく温め、冷えによる不調を和らげる働きが期待できます。また繊維質や糖質が豊富なのと粘り気が胃粘膜にもやさしく、消化に負担をかけないのが魅力です。また腸の働きをサポートすることで便の状態を整えるのに役立ちます。すりおろしたものを温かい煮汁に混ぜ、生ではなく加熱した状態で与えるのがおすすめです。例えば白米のおかゆに混ぜたり、ささみを茹でた鍋に混ぜたりします。とろみのついた煮汁は老犬にも食べやすいです。
軟便ではない場合は、茹でて適度な大きさに切ったものでもいいでしょう。
※いずれの場合もフードとの置き換えは、最初は1食につき1杯(小型犬は小さじ、中型犬は大さじ)から始めて様子をみましょう。
まとめ

今回は野菜の利用法を少し説明しました。キャベツは昔から愛犬のトッピングに使っている方は多く、それだけ犬には受け入れやすい野菜のようです。また、野菜を切る音に反応していつも台所でねだっている愛犬の話もよく聞くのではないでしょうか。
野菜には現代の栄養学ではビタミン、ミネラル、繊維質、糖質、ほかに抗酸化栄養素が豊富なものも多い素晴らしい食材。
愛犬に与えられるものは、消化の具合を観察しながら取り入れてみましょう。
薬膳では新鮮な野菜が持っている「気」と水分には大きな恩恵があると考えられています。身近な野菜で気軽に薬膳を意識してみませんか。