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芸は絆を育むドッグトリック!教え方と健康サポート
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この記事では、ドッグトリックの種類や教えるタイミング、家でできる練習方法までを解説します。愛犬との絆を深めながら、健康維持にも役立つドッグトリックを、ぜひ一緒に始めてみませんか?
犬の「芸」は、犬との絆を育む「ドッグトリック」
ハロウィンでおなじみの「トリック オア トリート」。これは「オヤツをくれないと、いたずらするぞ!」という意味ですよね。
犬の世界にも、この言葉がぴったり当てはまる場面があります。ドッグトレーニングで使われる「トリック」は「芸」という意味。私たちは、単なる「芸」ではなく、愛犬の心と体の健康を育む「ドッグトリック」と呼んでいます。
ドッグトリックを始める前に
ドッグトリックを成功させる一番の秘訣は、飼い主さんと愛犬が「楽しく」取り組むことです。無理にやらせようとせず、短い時間から少しずつ、遊びの延長として始めてみてください。
いつから?どんな準備が必要?
ドッグトリックは、子犬からシニア犬まで、どんな年齢の犬でも始めることができます。それぞれの時期に合わせて、無理のない範囲で取り組むことが大切です。
子犬の場合
生後3ヶ月頃から始めることができます。この時期は好奇心旺盛なので、遊びの一環として楽しみながら取り組みましょう。アイコンタクトなど、基本的なコミュニケーションを学ぶ良い機会にもなります。
成犬の場合
子犬の頃より長い時間集中できるようになりますし、体力も充実していて、新しいことをどんどん吸収できる時期です。少し難しいトリックにも挑戦してみることで、脳に良い刺激を与えることができます。
シニア犬の場合
運動機能の低下や認知症が気になる時期です。無理な体勢にならない「お鼻」や「ヘッドダウン」などのトリックがおすすめ。脳に適度な刺激を与えることで、認知症予防にもつながります。
ドッグトリックを始める前の準備
さっそくドッグトリックに挑戦したい!と思うかもしれませんが、その前に少しだけ準備をしましょう。
1. ご褒美となるオヤツやフード
小さくちぎれるものや、すぐに飲み込めるものがおすすめです。何度も与えるので、低カロリーで安心できるものを選びましょう。
2. 落ち着ける場所
はじめのうちの練習は、気が散らない静かな場所で行いましょう。リビングの一角など、愛犬がリラックスできる場所を選んでください。慣れてきたら、どこででも集中してできるようにステップアップします。
3. 練習時間と褒め方
1回の練習時間は5~10分程度。短くても集中して取り組むことが大切です。上手にできたら、「Good!」「OK!」「そう!」などの肯定的な言葉と、たっぷりの笑顔で褒めてあげてください。褒められることが大好き。それが次へのやる気に直結します。
ケアに役立つ!おすすめドッグトリック
ドッグトリックは、愛犬との絆を深めるだけでなく、ボディコントロール能力や脳への刺激など、心身の健康にも役立ちます。ここでは、シニア期のケアにも役立つドッグトリックを3つご紹介します。
初級編:「お鼻」
【どんなトリック?】
手のひらや指先を使い、愛犬の鼻先(マズル)をタッチさせるトリックです。
【教え方】
1. 愛犬が落ち着いている状態で始めましょう。「お鼻」と優しく声をかけます。
2. 手にフードやオヤツを持ち、匂いをかがせます。
3. 反対の手でアルファベットの「C」の形を作り、その中に愛犬の鼻が入るように誘導します。
4. 上手にできたら、持っていたオヤツをすぐに与え、「good!」と褒めましょう。
【ケアへの効果】
「お鼻」ができると、顔や口周りを触られることに慣れてきます。これまで歯磨きを嫌がっていた子も、口元を触られる抵抗感がなくなり、毎日のオーラルケアへのステップアップがしやすくなります。
中級編:「おまわり」
【どんなトリック?】
愛犬が飼い主さんの周りをぐるっと一周するトリックです。
【教え方】
1. ご褒美のオヤツを持ち、愛犬の鼻先に近づけます。
2. 愛犬の鼻先から頭の上を通り、円を描くように手をゆっくり動かして誘導します。
3. 愛犬が体を回し始めたら、「おまわり!」と声をかけ、上手に一周回れたらご褒美を与えましょう。
4. 慣れてきたら、手の動きを少しずつ小さくし、最終的には手の合図と声かけだけでできるように練習します。
【ケアへの効果】
「おまわり」は、全身を使って行うため、愛犬のボディコントロール能力を高めるのに役立ちます。また、左右どちらにも回るように練習することで、体のバランス感覚を養い、運動機能の維持にもつながります。
上級編:「ヘッドダウン」
【どんなトリック?】
フセの姿勢で、頭を前足の間に下げるトリックです。
【教え方】
1. まず、「フセ」をさせます。
2. オヤツを手に持ち、愛犬の鼻先に近づけ、そのままゆっくりと前足の間、床の方に誘導します。
3. 頭を前足の間に下げられたら、すぐに「ヘッドダウン!」と褒めてオヤツを与えます。
4. いきなり難しい場合は、少しでも頭が下がったら褒めることから始め、少しずつ完成形に近づけていきましょう。
【ケアへの効果】
「ヘッドダウン」は、首のストレッチになるため、シニア犬の首周りの筋肉の硬直を防ぐのに役立ちます。また、ゆっくりとした動きは関節への負担が少なく、頭を使うため、脳の活性化にもつながります。
コマンド(指示)の言葉選び
ドッグトリックを教える上で、コマンド(指示)の言葉選びはとても重要です。愛犬が混乱しないよう、以下の2つのポイントを意識して言葉を選びましょう。
1. 日常で使わない言葉を選ぶ
「ハウス」「オスワリ」のように、日常的に使うことが少ない単語を選ぶと、愛犬はコマンドを素早く認識できます。「おいで」のように日常で使う言葉は、褒め言葉や呼びかけと混同しやすく、トレーニングには不向きです。
2. シンプルで短い言葉を選ぶ
「ウォッチミー!」や「タッチ!」のように、短く、はっきりと発音できる言葉を選びましょう。単語が長いと、愛犬はどの音が指示なのかを判断しにくくなります。
これらのポイントを参考に、ぜひ愛犬にぴったりのコマンドを見つけてあげてください。
ご褒美の選び方
ご褒美は、愛犬に「この行動をすると良いことがある」と教えるための大切なツールです。ご褒美には、オヤツやフード、お気に入りのおもちゃ、そして優しい言葉やなでなでなど、様々な種類があります。
愛犬の性格や状況に合わせて、最適なご褒美を見つけることがトリック成功への近道です。
【ご褒美の選び方とコツ】
種類を使い分ける
・ 集中させたい時:小さくカットしたジャーキーやチーズなど、特別なオヤツ。
・ テンションを上げたい時:ボールやロープなどのおもちゃ。
タイミングが命
・ トリックができた瞬間にすぐにあげましょう。数秒でも遅れると、愛犬は何に対して褒められたのか分からなくなってしまいます。
ご褒美は変化させる
・ いつも同じだと飽きてしまうことも。複数の種類を用意して、愛犬の反応を見ながら使いわけましょう。
・ トリックが安定してきたら、少しずつご褒美の頻度を減らし、言葉やなでることで褒めるようにしていきます。
与える量は決めておく
ドッグトリックの練習に熱中していると、うっかりたくさんのオヤツやフードを与えがちです。フードを使う場合は、一日に与える給与量の中から練習分を取っておいてください。
オヤツもできるだけ小さく切って用意しておきましょう。
◆5㎏の成犬の場合のオヤツの量と計算例
5kgの成犬の1日の摂取カロリーは、年齢や活動量、避妊・去勢の有無によって異なりますが、おおよそ250~400kcal程度が目安とされています。オヤツをご褒美にする場合は、1日の摂取カロリーの1〜2割を目安にしましょう。
オヤツのパッケージには100gあたりのカロリーが表記されています。たとえば、280kcal/100gのオヤツなら、10gで28kcalです。これは、体重5kgの成犬の1日分のオヤツに相当する量のおおよその目安になります。このようにおよそでもカロリーがわかると調整しやすいですね。
スタッフの体験談
我が家の愛犬(体重4kg)は、人見知りや犬見知りが強かったため、しつけ教室に通っていました。食いしん坊な性格だったので、ご褒美をもらうためのドッグトリックの練習が大好きでした。
練習を重ねるうちに、嬉しい変化が。例えば、「お鼻」というトリックを覚えてからは、散歩中に車や自転車を避ける際、素早く誘導できるようになりました。また、たくさんの犬がいるドッグトリックの練習中も、落ち着いて過ごせるようになり、精神面の成長も感じました。
トリックを通して、愛犬との絆が深まり、楽しい思い出もたくさんできました。ドッグトリックは、愛犬の心と体を豊かにしてくれる、素晴らしいコミュニケーションだと実感しています。
まとめ
ドッグトリックは、犬と人とのコミュニケーションを深める素晴らしいツールです。単に芸を教えるだけでなく、愛犬の考える力を育み、自信をつけさせ、そして何より、私たちと愛犬との結びつきを強くします。
愛犬との新しい挑戦は、きっと楽しい発見と感動に満ちた時間となるでしょう。ぜひ、ドッグトリックを始めてみませんか。







