- GREEN DOG & CAT
- ペットフード・ペット用品通販
- 犬との生活・特集一覧
- 犬の特集
- 食事
- 避妊・去勢後に太りやすくなる?おすすめのドッグフードと選び方
避妊・去勢後に太りやすくなる?おすすめのドッグフードと選び方
- 食事
- 専門家監修
愛犬の避妊・去勢手術後のドッグフード選びや気をつけたいポイントについて解説します。個体差はありますが避妊・去勢後は太りやすい体質になります。適切な体型維持は健康のために重要なポイントなのでドッグフードの量もしくは内容の見直しが必要になってきます。
ただし、むやみに食べる量を減らすのはいろいろな面で不健康です。どれくらいまで減らせばいいか、または正しいドッグフード選びの方法を知って、無理のない体型維持ができるように心がけてください。
避妊・去勢後に太りやすくなるわけ
避妊・去勢の手術後は性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することでさまざまな変化が起きます。
・エネルギーの消費が減る
子孫を残すための体の変化(発情)がなくなる分、体内で使うエネルギー量が減ります。またエストロゲンは代謝の調節にも関わっているホルモンであるため、基礎代謝が落ちることがあります。
・運動量が減る
特に雄犬は異性への興味や興奮、同性への闘争心など繁殖活動に関わる動きが減ります。
・食欲が増す
エストロゲンは食欲の抑制にも関わるホルモンなので、適量を与えられていても満足せず食に対して要求が増す個体もいます。
もうひとつの食欲に関して抑制する働きを持つホルモン(レプチン)も変化します。避妊・去勢手術により生殖能力を失うことでレプチンの分泌が減り、食欲の抑制が働かなくなります。
また、体内に脂肪が多くなると食欲を抑える信号への反応が鈍くなり(レプチン抵抗性)傾向があるため、太れば太るほど食欲抑制が働かないような状態になっていきます。
・子犬のカロリー必要量のピークと減少期
子犬が体重あたり一番多くのカロリーを必要とするのは、生後4カ月頃です。その後の数カ月で、小型犬であれば生後6~8カ月頃から、中・大型犬であれば生後10~12カ月頃から必要カロリーは減少してきます。それまでと同じようにたくさんの量を与えていれば太ってしまうことがあります。避妊・去勢の手術のタイミングによっては、いくらでも食べたいという欲求も加わってくるので、さらに太りやすいと感じるかもしれません。
成長後期であり、太りやすい傾向があれば、早めに成犬用に変えることも検討しましょう。肥満の状態では健康的な成長に影響が出てくるからです。ドッグフードの量は適当ではなく、子犬の成長度合いに合わせてきちんと管理しましょう。
必ず太るわけではない
手術をしたからといって、すべての犬が太るわけではありません。そのため、手術後=ダイエット用ドッグフードと決めつけず、まずは愛犬の状態を観察することも大事です。
例えば、まだ月齢が小さい子犬期であれば、成長のためにエネルギーがたくさん必要ですし、活動量も多いでしょう。
太る理由は単純なことで、使うカロリー<食べるカロリーになっているからです。
ドッグフードを変更せず運動量を意識するだけでも体重管理は可能です。
私たちがやりがちな失敗は与え過ぎです。一日に与える量を目分量ではなくしっかり確認しましょう。
ドッグフード以外に与えているおやつも同じく量を決めておかないとどんどん増えていく傾向があります。特に家族にお子様やご老人がいらっしゃる場合、知らないうちに余分に与えていたというのはよく聞くことです。
体重だけでは判断できない(肥満の定義)
また、愛犬の肥満度は判断の基準が難しいものです。チワワ、ブルドッグ、グレイハウンドなど、犬種によって体の特徴は大きく異なります。
肥満の定義は、脂肪組織が過剰に蓄積した状態です。脂肪組織にはエネルギーを貯めること以外に外からの衝撃を緩和、断熱効果で体温の維持、近年では内分泌器官(ホルモンを分泌する)の役割があることもわかっています。
肥満は万病の元と言われるほど病気との関りが深いのですが、脂肪組織は体のために必要な働きもあるため、痩せすぎてもいけません。太っているかどうか判断がつかない場合は、かかりつけの獣医師や同じ犬種のことに詳しいブリーダーさんなどの専門家の意見を聞いてみましょう。
心配のないドッグフードの減らし方
太ってきた場合、ドッグフードの量を少し減らしますが、うっかり減らしすぎるのは禁物です。必要な栄養素が不足してしまう可能性だけでなく、愛犬のストレスが大きくなってしまうこともあります。まずは、減らしても良い量を把握しておきましょう。
ドッグフードの量の計算方法
①メーカー推奨の給与量を知る
②①の量に0.8を掛けて求める
たとえば、①が80gだった場合、80g×0.8=64gとなります。つまり、メーカー推奨の給与量から2割くらいまでなら減らしても栄養不足の心配のない量と言えます。
※もちろんトッピングなどでバランスよく補う場合は、さらに減らすことが可能です。
ただし、いきなり64gまで減らすのではなく、少しずつでいいでしょう。たとえばはじめの1カ月は70gで様子をみて、次の1カ月は64gで様子を見るようにします。
ドッグフードには必ずメーカー推奨の給与量が表記されています。栄養が計算されて理想的なレシピになっていますので、まずはそれが基準です。その量より3割以上減らしてしまうと、必要な栄養素が不足する恐れが生じます。量を減らしたい場合は、2割くらいまでを目途に調整してください。これまで目分量で与えていた場合もこれを機に適正な量を知っておいてください。
体重の減り方の目安
ちなみに体重減量の目安は1週間に体重の1~2%ずつが理想とされています。体重5㎏の愛犬の場合、1週間に50g~100g程度です。これはかなりスムーズな減り方です。これ以上たくさん減るようでは、ダイエットの急ぎ過ぎと考えてください。
特にドッグフードを切り替えて間もない時期は、すぐに痩せないことにあせったりせず、ゆっくり様子をみるように意識しましょう。
避妊・去勢後のドッグフード選びのポイント
これまで与えていたドッグフードの量を減らしても太ってきてしまう場合は、そのドッグフードが愛犬の体質に合っていないということになります。食べる量が少なくなるとストレスになることもあります。愛犬の体型維持に合うフードを選びましょう。
まずは獣医師から指定されたドッグフードがあればそれを試してください。愛犬が食べなかった、他のドッグフードを試したいなどの場合に下記の方法を参考にしてみてください。
手術後に太ってきた場合のおすすめドッグフード
体重管理が必要な場合はダイエット用ドッグフードや避妊・去勢後用ドッグフードはもちろんですが、これら以外にも以下のような選び方があります。
生後8カ月未満なら
子犬用ドッグフード・高タンパク・低カロリー
成長に必要な栄養素をまだ摂っておきたい時期なので子犬用ドッグフードがおすすめです。まずはこれまで与えていたドッグフードのカロリーと見比べて少しでもカロリーの低いものを選びましょう。

yum yum yum!パピー Happiness plus+
yum yum yum!(ヤムヤムヤム)子犬に必要な栄養バランスでありながらカロリーは多すぎない子犬用ドッグフード

リガロ ハイプロテインレシピ 子犬・成犬用 ターキー
リガロ高タンパク質が特徴のドッグフードの中では低カロリーなレシピ設計の子犬用ドッグフード。
生後8カ月~2歳頃なら
成犬用ドッグフード・高タンパク・低カロリー
子犬用から成犬用ドッグフードに切り替えられる時期です。成犬用(もしくはシニア犬用)の中から選びます。まだまだ活動量が多い時期なので高タンパクで筋肉を養うことも大切です。これまで与えていた子犬用ドッグフードのタンパク質量と比べてそれに近いもので良いでしょう。

アカナ ライト&フィットレシピ
ACANA(アカナ)体脂肪の原因となる炭水化物や脂質はカットし豊富なタンパク質により筋肉維持に配慮した成犬・シニア犬用ドッグフード

ドットわんごはん
ドットわん牛肉たっぷりの高タンパクなのに低脂肪、お通じのサポートでなど代謝維持にうれしい全年齢用ドッグフード
2歳以降なら
「低カロリー・グレインフリー」「シニア犬用ドッグフード」「生食」
カロリーが少なくても太りやすい糖質が豊富なドッグフードもあります。グレインフリー(穀物不使用)は糖質が控えめになりますが、脂質が豊富で高カロリーなドッグフードもあるので、低カロリーかつグレインフリーであるものを選びましょう。
また、シニア犬用ドッグフードは比較的低カロリーなので軽いダイエットに適しています。
生食(グレインフリー)も体重管理に役立つ食事です。冷凍商品となることで管理が少し大変ですが、与えてみたい場合は、これまでのドライフードに少量ずつ混ぜて切り替えてみてください。

ベーシックフォーミュラ「メンテナンススモール フレッシュターキー」
Natural Harvest(ナチュラルハーベスト)体重が気になるときにおすすめの低脂肪、低カロリーでたっぷり食べられるグレインフリーフード

キヌア スキン&コート(皮膚被毛健康サポート)ベニソン 成犬用
N&D皮膚被毛の健康をサポートする単一タンパク(鹿肉)フード

yum yum yum! シニア&ライト 馬肉 ドライタイプ
yum yum yum!(ヤムヤムヤム)シニア犬に必要な良質なタンパク質を含み、低脂肪なレシピ設計のシニア犬用ドッグフード

アカナ シニアレシピ
ACANA(アカナ)皮膚被毛の健康をサポートする単一タンパク(鹿肉)フード
成犬でもシニア犬用ドッグフードを与えてもいい?
成犬にシニア犬ドッグフードを与えても問題ありません。実は総合栄養食フードの栄養基準(AAFCOや制定)には、成長期用(パピー)か、維持期用(成犬)しかありません。
「シニア犬用」はメーカー独自の表記であり、総合栄養食の表記があれば成犬の健康維持に必要な栄養基準を満たしています。レシピは、代謝が落ちて太りやすくなったシニア期に適したものということで、低カロリー(低脂肪)な傾向があります。
可能であれば同じメーカー(ブランド)内で比べてみてください。ドッグフードの変更もまずは同じ種類の中でパピー用から成犬用、成犬用からシニア犬用と段階を踏んで与えてみると良いでしょう。
まとめ
避妊・去勢手術後は太りやすい体質になります。だからといって必ずダイエット用ドッグフードに切り替える必要はありません。体質の変化は個体差が大きいからです。また太りだしたからといってフードの減らしすぎにも注意してください。体重は減ったけど、毛ヅヤも悪くなったというのでは、栄養素の不足が考えられます。愛犬の状態を観察しながら適切フードを選ぶようにしましょう。
フードだけでなく必ず運動量の見直しも行ってください。私たちの生活に合わせてくれている愛犬のストレスケアを意識すれば体質に合った体重管理の方法も見つかりやすくなるでしょう。
みなさんの愛犬たちの健康を願っています。
【参考書籍】
ペット栄養管理学テキストブック 一般社団法人ペット栄養学会 編







