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どうする?シニア犬が散歩に行きたがらないときにできること
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パートナー(愛犬)が散歩に行きたくない理由は何でしょう。それを考え、改善することができるのは飼い主さんだけです。この記事では、年齢を重ねたシニア犬(高齢犬)が散歩に行きたがらないときにどうすればいいかについてお届けします。
シニア犬が散歩に行きたがらない理由2つ

身体の不調
・高齢による足腰の負担(関節の痛み、しびれ、疼痛など)
・内臓の疾病(動くと痛い、つらい、息苦しいなど)
心の不調
・意欲や好奇心の低下、精神的な問題など。
もともと若いときから散歩が好きではないという犬はいます。散歩に行く喜びを学習しなかったか、散歩が怖いと学習したなど、シニア犬になって生じた変化ではなく、もともとうまく社会化できなかったことが原因と考えられます。
シニア犬に散歩は必要?

犬のシニア期は、大きく分けて3つのステージがあります。
・第Ⅰ期(シニア期)
日常生活にほぼ支障がなく、特定の介助(動きの一部の手助け)が必要なこともある。
・第Ⅱ期(ハイシニア前期)
日常生活にある程度の支援が必要な段階で介助する場面が多くなってくる。
・第Ⅲ期(ハイシニア後期またはスーパーハイシニア期)
日常生活のあらゆる場面で介助が必要になってくる。状況によっては介護生活の状態。
獣医師から止められていなければ、介護が必要な犬でもできるだけ散歩には連れ出してあげましょう。それほど散歩には大きなメリットがあるのです。
犬のいちばんの情報収集器官は鼻。犬の喜びは、鼻をつかって探求する(かつては獲物を探したり、仲間の情報を得るなど)ことだといっても過言ではありません。
土や空気に触れることにより、免疫機能が適度な刺激を受けて健康状態をバランスよく維持します。また午前中の陽射しを浴びるとセロトニンの分泌が増えます。別名しあわせホルモンとも呼ばれる物質で精神安定や体内時計の調節の働きがあります。夜鳴きの防止も期待できるんです。ですから、介護が必要な歩けない愛犬でも、抱っこやカートを利用して外に連れ出すことは大事です。
シニア犬の運動不足によるリスクとは
散歩に行かないと、筋力低下はもちろんですが外で得られるさまざまな情報や刺激が絶たれてしまいます。脳や心に刺激がない生活は、とても退屈なこと。とくに脳への刺激が少ないと認知症になる時期を早める可能性が高くなりますし、食欲の減退につながることもあります。
シニア犬の散歩のお悩み別解決法(Q&A)

Q.散歩に行きたがらないときはどうしたらいいですか?
A.若いときから毎日散歩に行く習慣がなく、嫌がっているときには、シニア期に入ってから急に散歩に毎日連れ出すと、環境への順応性が鈍くなっているシニア犬はストレスを感じることもあります。愛犬の様子を観察し、ペースに合わせて徐々に連れ出してあげましょう。
シニア期からでも遅くはありません。ぜひ「散歩って、楽しいものだよ」と教えてあげてください。外で特別なおやつを与えたり、匂いをたくさん嗅げる場所でゆっくり過ごしてみたりするのもいいですね。何より飼い主も一緒に「楽しみだね、さあ行こう!」という気持ちを示すことが大切です。
シニア犬の関節や筋肉は硬くなっています。出かける前にはできるだけ筋肉や関節を温めながらマッサージし、ウォームアップをして出かけましょう。このような準備運動をせずに外に出ることで関節が痛み、散歩に行きたがらなくなることもあるようです。シニア犬は、外に連れ出す前に必要なケアをしてあげましょう。
家の中でも歩くのを拒む、痛がるそぶりを見せる、突然散歩を嫌がるようになったなどの場合は、身体の不調で動きたくないのかもしれません。何か症状が出ていないかどうか動物病院で診てもらいましょう。
Q.散歩中に歩かなくなる、立ち止まるのですが...
A.もともと散歩が苦手な犬は、年齢を重ねて心に難しい面が出てくることがあります。精神的な問題ではない場合は、身体の変化(衰え)かも知れません。たとえば白内障のため、明るい陽射しが苦手になり夕方の時間のほうがよく歩ける犬もいます。またシニアの体調は気候の変化など、日によっても変化します。散歩は愛犬のペースに合わせてあげることが大切です。ゆっくり歩いたり、休憩をいれたり、歩きやすいコースを選んだり、愛犬のことをよく観察しながら歩くようにします。
Q.散歩中に倒れたときはどうしたらいい?
A.倒れた、へたりこんだ、たびたび立ち止まる(今にも倒れ込みそう)などは、心臓などに大きな異常が起きている可能性があります。できれば大きな動物病院にすぐに搬送してください。
Q.介助用ハーネスを使って散歩をさせたいのですが
A.介助用ハーネスには一般的に胸、胴、腰とそれぞれを補助するタイプがあります。いずれも完全に歩けない四肢麻痺の犬のために使うものではありません。少し支えてあげれば歩ける犬のためのものです。前肢が弱っている場合は胸のハーネス、後肢が弱っている場合は腰のハーネス、体を安定させて歩くときの負担を減らしたいときには胴のハーネスといったように選びます。不安な場合は獣医師に相談して選ぶといいでしょう。肢が真っ直ぐに伸びてしまうほど犬を吊り下げるような持ち方は背骨や腰に負担がかかるため危険です。必ず正しい使い方をしましょう。
Q.カートでの散歩の注意点は?
A.小型犬の場合は、カートに乗って目線が高くなることから強気になりやすいため、吠えたり威嚇したりするような興奮状態が続かないようにすることや、カートからの落下にもじゅうぶんに注意しましょう。まだ歩けるうちから、カート散歩ばかりというのは健康管理の点からもおすすめできません。カートに乗っているだけでは、外の空気を感じることはできても、筋肉の維持ができません。土のにおいを嗅ぐ喜びや自然に接触することの恩恵も得られません。自分の足で歩けるうちは、ゆっくりでも自分で歩かせてあげましょう。カートでの散歩は、獣医師から外出許可をもらった寝たきりの愛犬や、病気の症状がある愛犬を動物病院に連れていくときなど、工夫して使いましょう。
まとめ

何歳になったからシニア犬という定義はありません。それは犬種や個体によっても違いがあり、また若いときからの運動のさせ方、ケアの仕方でも差がでてきます。「シニア犬だから」と人間側が愛犬の限界をつくらずに目の前の愛犬に合わせてケアをしてあげましょう。QOL(生活の質)の高い老後を愛犬に満喫してもらうために、元気ならば毎日散歩に出かけ、筋肉、脳、そして心にもたくさんの刺激を与えて、若々しくいてもらいましょう。
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